< Today's Photo and Word >
肝心なのは感動すること、 愛すること、希望を持つこと 打ちふるえること、生きること ロダン(フランスの彫刻家) |
Pocket Book 『Henri Cartier-Bresson』(創元社)を昨日寝る前に読み終わりました、まあ最初のパリ・国立ピカソ美術館の館長であり芸術評論家のジャン・クレール氏の「アンリ・カルティエ-ブレッソンの作品をめぐる、写真のささやかな形而上学への序論」という7ページに及ぶ文章が大変難解でしたねえ。
写真芸術を糾弾した時期のボードレールの言葉を引用して絵画・芸術が写真に取って代わられる危機感を表しているのではないか・・・というような始まりから引き込まれるのだが、如何せん内容がとても難解で半分も理解できなかった(^^;)。その後はカルティエ=ブレッソンという人物なり作風なりを分析するものだったので楽しく読ませてもらったがなんとなく消化不良な気分であった。
ところがその序章を読み終わりめくったページのアンリ・カルティエ=ブレッソンの言葉がのった1ページはジャン・クレールの7ページで霧のようにモヤモヤしていた頭をサクッと解消してくれました。私のような低俗な人間にはジャン・クレールのような文章は不要、なぜこのカルティエ=ブレッソンの言葉で始めてくれなかったのだろうかと訝しむくらい明快です~っと心に入ってくる言葉であった。これは自分自身カメラを持つ限り心に刻んでおきたいものでしたねえ。写経ではないが忘れないように何回も書き記しておきたい言葉です...
***********[ Pocket Book Henri Cartier-Bressonより引用 ]***********
実物に即した想像空間
私にとってカメラは、スケッチ帳であり、直感と自発性を発揮する道具であり、視覚的に問いかけると同時に決断を下す、瞬間の導き手である。世界を「示す」ためには、ファインダーを通して切り取ったものに自分が当事者として関係していると感じなくてはならない。この態度には集中と、感受性と、幾何学のセンスが必要である。無駄のない表現に到達するためには重要なのは、手段を簡略にすること、そして何よりも、己の存在を忘れることだ。
写真を撮ることということ、それは自分の能力を一点に集中させて、息を詰め、とらえどころのない現実をつかむことである。そうしてあるイメージを捕捉できとき、それは身体的にも知的にも大きな喜びとなる。
写真を撮るということ、それは瞬時に目の前の出来事を認識すると同時に、その出来事を織りなす形態で的確な構図を組み立てることである。
それは頭と目と心を同じ一本の照準線に合わせることである。それは一つの生き方である。
************** アンリ・カルティエ=ブレッソン **************
『決定的瞬間』という彼についての言葉を表層的にしか捕らえてなかった人間(私です)にはまさに心臓を貫かれた如く胸に突き刺さってきた言葉ですね。そして今までの様々な断片的な写真の原理・技術(テクニック)などが見事に自分の中で理論的に整理され再構築されるが如き言葉でしたね。
写真講座などを実際に行っている講師などにもこのブレッソン=「決定的瞬間』の上っ面しか説明しない・できない人がいかに多いことか・・・。
きょうのCobbyとの散歩でもしっかり心に留めてカメラを持たざるをえないですよね(笑)。
【 私的日常の風景 】
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基本カメラの設定をf/8・1/125・ISO100でピントを約5mにして撮ってます^^、最後2枚は暗くなってきたのでISOを上げるか絞りを開けるかしています(HELIAR 40mmなので距離指標がないためピント面まで歩幅6歩で決めました:笑)。
人が入っているのは一枚だけですが、見て・感じて・整えて撮る、この一連のアクションがカメラの設定を弄らないでできることでいかにスムーズに行くかがとても良く分かります・・・ファインダーで切り撮る作業に集中できますね。
幸いEVFなので極端に画が破綻している時はすぐわかります、操作的にはすべてマニュアルなんですがほとんど何も触らないマニュアルという感じで面白かったですね。
そして出来上がりを現像していても今回は風景的なものが多かったので遠景にピントがいってないような画もありますが、全然気にならないですね・・・それよりも1枚の写真としての【画】がちゃんと自分が感じていること・物を表現できているかに集約できるような気がします。
このブレッソンの言葉に出会えてほんと良かった思います...
※ カメラ: Sony α7II
レンズ: Voigtlander Heliar 40mm F2.8
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