Heliar 40mm F2.8で虹が出てからこの素敵なゴーストの出し方が分かり、散歩スナップでは時々日光の状況が良い時にいろいろ試しています。これはトレーニングしておかないといざという時使えませんねえ(笑)。虹(ゴースト)が出れば良い写真というわけではないですからね・・・まさに自己満足の典型ですよね。
そんな面白いゴースト・フレアの話の中で大変「スタイルの良いゴースト」が出るレンズを見つけました、それがこのレンズです。
「ASAHI PENTAX Super-Takumar 55mm F1.8」
このレンズ調べると製造開始の1962年からかなりの回数仕様変更がなされ、私の型番や絞り・ピントリングの回転方向そして赤外線撮影の指標文字位置などからすると1965年の型みたいなんですよね...もう53年前です。「Nikkor-O・C Auto 35mm F2」より8年ほど古くなります。凄いですねえ、でもフィルムカメラのセットレンズとして量産されていたということで今でも相当数中古が出回っているので比較的求めやすい・始めやすいオールドレンズということが言えそうです。私のものも3千円台で手に入りました、「ゴミ大・ゴミ多し」でしたが、手にとって見ると写りには影響なさそうだったのでゲットしてきました。
またこのレンズの話題としては語り尽くされているようですが「ガウスレンズ」「アトムレンズ」などと呼ばれ、レンズ群に「トリウムガラス」を導入したことで知られています。微量の放射線を放出しているんですって、でも怖がるほどの線量はないそうです^^。
こうして見てもレンズ面が少し黄色く見えますね、この黄色の色味は日光に晒しておくと薄まるそうです。でもせっかく時間をかけてここまで色がついたオールドレンズですからこれでいいのです(笑)。
この角度では分かりにくいですが、前から見ても大小のゴミがたくさん見えますよ、写りに影響はほぼないのであまり気にしませんが・・・時間の経過をすこぶる感じますねえ。
さてこのレンズ私としてはα7IIで使うつもりだったのですが、なんとニコン用にもアダプターが存在しておりD700でも使用可能のようです(^-^)v。そしてα7IIにしても『M42⇒Eマウント』にするか、VM-E Close Focus Adaptorを介して『M42⇒ライカMマウント』にするかの二択がありました。せっかくなので最短撮影距離が短くできるため後者を選ぶことにしました。最初の写真のようにアダプターの二段重ねになっていますが、VM-Eアダプターが薄めなので比較的スッキリと見栄え良く安心しました。
この写真を撮ったAi Micro-Nikkor 55mm F2.8Sのようにアダプター経由だと大きめの中望遠レンズ風に見えたりしますが、それに比べて非常にコンパクトに収まってますので、平らなところに置いてもギリギリ前に倒れずバランスが良いです。
さて写りの方ですが、まだ第一印象くらいではっきりとは言えませんが・・・素の描写はとても柔らかいながらも芯がある印象で青味が強い感じというのが私の印象です。驚いたのですが、Lightroomにちゃんとこのレンズのプロフィールが存在してました。そのうえで私の仕上げで出してますので現像後の写真になります。
先程の第一印象とはかけ離れた画に見えますね、『芯がある』のでここまでこってりした画にできます。線も太い感じですよね。α7IIに因るところかもしれませんが私の他のレンズとかなり傾向が違います。詳細に「部分(パーツ)」を見ていくととてもシャープに描かれているんです、これには驚きました。
(f/8.0、1/125、ISO100)
これなんかも中央の葦だか荻だかの穂がピクセル等倍で見るととても詳細に描かれていました。
普通こういう写真だと赤い実にポイント(ピント)を置いて撮るのが普通だと思うんですが、ファインダー覗いてたらフレッシュな葉がそれを上回るくらいいい表情をしていたので葉にピントが行ってます。その辺をちゃんと描いてくれてます・・・これですごく気に入りました(笑)。
(またこのレンズ使用の撮って出しの画像が次の記事に載せてありますのでぜひ合わせてご覧ください)
それではいよいよこのレンズをゲットしたきっかけとなる『ゴースト・フレア』の話に入っていきます...
HELIAR 40mmのような「弧」ではなく完全な「円」が出ます。
出し方はとても簡単でした、ただしHELIAR 40mmとは絞り方が逆ですね...開放に向かって出やすくなります。後は正面だろうが多少左右に向けても「太陽を入れるか入れないかの角度」に持っていけば必ず出ますねえ(笑)。
これななか格好良いですよね・・・Cobbyの後ろ姿が神々しく見えます^^。完全な円にすることもできますが、ファインダー除いていてこの不完全な月のような形が素敵だったので2枚ともお揃いにしました。カメラの角度を微調整すれば良いだけです。まあHELIAR 40mmと違ってゴーストもフレアもこれでもかの出放題ですが、面白い写真になりますね...これは楽しいです。ただしこういう撮影時はピントも曖昧になり構図を決めるのがやっとでピシッとした仕上がりをイメージするのが難しいですね。Cobbyの頭(顔)のアップは意図したとおりなんですが、次の後ろ姿はたまたま通りかかった他のワンコに気を取られ後ろを向いてしまって仕方なくシャッターを切ったのですが...結果として尻尾だけピントが行っているかたちで構図的にもイメージ的にもかえってこちらの方が面白い仕上がりになりました、これはセオリー通り場数を踏まないと難しいですね。
太陽(光源)の角度が限られますから朝か夕方に使うかたちですかね・・・まあ強い光源が他にあれば別ですが。ますます朝普通に起きられるようにしなければです...(笑)。
樹木のこんもりした葉の感触もとても良く、少し明るめにしてますが青の出方も強烈というくらいです。好みでWBを若干マゼンタよりにしてます、素の出方はもっとブルー寄りになります。
※すべての写真はWBを晴天(5050K)に固定して撮影しています。
それとわざわざライカMマウント用のアダプターにした恩恵はというと...
最短撮影距離にて撮ってますが、それほど劇的に寄れるわけではありませんでした^^;)。体感的には十分寄ってるなとは思えますが、フォクトレンダーの標準(50mm)クラスのレンズでも70cm~のものが50cm前後に縮まる程度ですからAi Micro-Nikkor 55mm F2.8Sなどのマクロレンズまでは到底無理ですね。でもこれだけ寄れればテーブルフォトくらいは座ったまま楽々こなせそうです。
話は外れますがこうやって見てくると寄れて大きく写る広角レンズの「Ai Nikkor 28mm F2.8S」は素晴らしいレンズですね2017年最高の収穫のように思えます。
-----< 使い始めの印象として >-----
あまりボケは気にしない方なのですが上の写真のように主役に目線を定着させるには十分な質感はありますよね、Nikkor-O・C Auto 35mm F2ライクな消えゆるようなボケも健在ですし十分柔らかできれいですね。
次に『青』味ですか・・・これはぜひ活かしていきたい傾向です。このレンズらしさの一角ですね。
そして細部の独特な緻密(そしてソフト)な描写も捨てがたい魅力ですし、コントラストの上げ方次第でとても太い線がまた魅力ですね。
案の定モノクロもplanar T*1.4/50に負けてませんね、頼もしいです^^。これもまた別の楽しみが出てきましたね。
遊び方?の多い魅力あるレンズのようで使い込みが楽しみになってきました。最近(最新)のレンズでは『沼』には縁がなかったですが、オールドレンズ関連ではどうも『沼』にはまりそうです(笑)。でも安いものでこれだけ楽しめれば御の字ですよね。
作例は今後どんどん入れ替えてこのレンズの魅力を伝えていきたいですね・・・。
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