先日から使っているPentax M42 Super-Takmar 55mm F1.8だが、α7IIIでもその個性・性能を発揮させるべく今回はホワイトバランスと電子先幕シャッターについてテストしながら良い方向性を探ってみました。
まずすぐ解決した問題としてはホワイトバランスですね、これは先代α7IIの時もあのレンズの黄色を鑑みてオートホワイトバランスの設定で使っていたんですね、それ故α7IIIでは「標準」「雰囲気重視」そして「ホワイト基準」と3種ある設定のうち「ホワイト基準」を使って撮影しました。
結果はもうLR(Lightroom)で現像していてもサクサクです、とても素直な写りとなり調整の手間がずいぶんと省けました。
残るは「電子先幕シャッター」ですね。
風は強かったのですが前日と同じようによく晴れて午後の(夕日など)光も十分ありましたのでさっそくテストです。
電子先幕シャッター On (f/1.8, 1/4000, ISO100, -0.7EV) | 電子先幕シャッター Off (f/1.8, 1/4000, ISO100, -0.7EV)
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レンズを向けた角度が微妙に違いサークル・ゴーストの出方が違っていますが、絞り優先で露出値は全く変わってません。左のOnの方はサークルを取り巻くフレアが目立ちますが、右のOffの方は気になるようなフレアが見られません・・・その分いくつか見えるサークルの形状が気持ちスッキリ・はっきりと見えます、フレアのない分いくらか暗くも感じますね・・・加えてピント面のフェンスの支柱から手前にかけてが左の画像よりクリアに見て取れますね。 (上の画像ではわかりにくかもです、ぜひ拡大してみてください) |
やはりレンズによって出現するフレアは多少なりとも被写体のコントラストを下げたりいたずらをするんですね、このテストによって、取説にあるように高速シャッターの場合に電子先幕シャッターをOnにしていると明るさにむらが出ることがあるということが証明されたようですね・・・ただしこのSuper-Takmarは開放でゴーストを出す撮り方をしているのであくまでそれに付随して出てくるフレアについてだということを断っておきます。
※純粋に「明るさにムラ」ということでは逆光に強いplanar T*1.4/50 ZFなどでテストしてみないとです。また高速シャッター時のOnの弊害としては『ボケの欠け及び明るさのムラ』という大きな問題があるそうです、実際後半に出てくるCobbyの写真にその症状が出てますので...お楽しみに(笑)。これからは(今回もほとんど逆光時はOffにしていますが)シチュエーションによって気をつけないといけませんね。
まずは色の違いがはっきり出た氷川神社の画像です...
こうしてみると自然ですよね、前回のようにオレンジっぽい色の処理に苦労することは全然ありませんでした。
そして氷川神社のにゃんこです、これも非常にクリアに写っており、手の入れようがないくらいでした。まさにSuper-Takmarの写りの良さを示しているのではないでしょうか。
ただし露出で気になることが...これ例の雲居の瀧ですがExifを見ると<1/60, ISO100, -0.7EV>で絞りはf/2.8だったと思います。陽の当たる右側と手すりが白飛びしているんです。手すりなどはほぼ中央です、それを考えて露出補正しているんですがあまりこうした白飛びを起こしたことがなかったんですよねえ・・・まあ私が明るいスポットでAELockをかけてなかったのが悪かったのですが・・・少々気になるところです。
そしてこのレンズの絞り羽根が6枚だったのを今回はじめて知りました^^;)。逆光ではゴーストが出やすいなあとは承知だったんですが、ご覧のように太陽から出ている光条が6本なんですよね・・・これは嬉しいですね。ただ惜しむらくは逆光に弱いこと、ゴーストやフレアで汚されて美しい6本光条が引き立ちません...残念。
青空とサザンカですが、いたってスッキリとした画になってます。
開放で撮っても気持ち良い色合いになってます、とても柔らかで品があるのではと思います。
そしていよいよサークル・ゴーストの出来栄えを見ていただきましょう...
まずは先日もアップしたニラです、やはりサークル・ゴーストはこうしたタテ構図がぴったりきますね。今回特に一箇所にまとまったニラをピックアップして配置しましたので画面のバランスがとても良いように思います。
そしてCobbyです...
キラリ☆ふじみのベンチに乗っけてとったんですが、なにせ風が強く正面から受けているCobbyの顔がちょっとキツネのお面のようになっているはご愛嬌です(笑)。
(f/1.8, 1/5000, ISO100, -1EV)
ここで先程の話題に出た高速シャッター時の電子先幕シャター問題が見られました。もう一枚のCobbyの同時間に撮ったものです...
(f/1.8, 1/6400, ISO100, -1EV)
こちらのほうが実際は目にピントがしっかり来ていたんですが、サークルの完全さとバランスで先の写真を選びました。問題はこの写真のCobbyの後ろの建物のガラスなどにいつくも見える丸いボケですね。よく見るとすべて右半分ほど欠けているんです、ファインダーでは真円だったサークルの右側が欠けているのも、この時電子先幕シャターをOffにするのを忘れていたのが原因なのかもしれません・・・はっきりと出ましたねえ。どうやらOnにしたときはf/1.8の開放時のシャッタースピードは1/5000が「セーフライン」のようです・・・覚えておきましょう。まあOffにすればよいだけなんですがね(笑)。
さてPentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8がα7IIIでもその実力をいかんなく発揮してくれることが分かりホッとしましたので...この日のお気に入りを何枚かお披露目です。
風に揺れる枝先の葉がとても美しかったのでCobbyを長く横に侍らせて根気強く写し止めた一枚です^^。
こちらはファインダー覗いていてもキラキラと素敵だった植え込みの草木です...逆光に葉が透けている様も素敵ですが、バックの草たちが受けた光を輝かせている様子がまるで植え込みが素敵なイルミネーションになっているようです。
とまあこの日は勉強になることがたくさんありました。スッキリついでにこのレンズに使用しているマウントアダプターの弱点も改善しようかと帰ってから手を入れました。
M42マウントは1本だけだし、以前使っていたフォクトレンダーのVM-E Close Focus Adaptorを手放していたのでとても安いマウントアダプターを使ってたのがこれです...
さてここまでこのレンズの良さが引き出せればこうしたアダプターにかけた手間がプラスに働いてくれると楽しさ倍増です・・・まあ精神衛生上良いだけかもしれませんが次の撮影がとてお楽しみになりますね。というかα7IIIでこれだけ実力を発揮してくれていますので3,400円のレンズとしては出来すぎの感があります。
・・・だから写真の腕前を上げる努力を惜しまなくなるんですね(笑)。
※ カメラ : α7III(マウントアダプターの写真はP7100)
レンズ : Pentax M42 Super-Takumar 55mm F1.8