アンテナが複数本あると、それを簡単に切り替えられる同軸切り替え機が便利である。これは、第一電波工業社(ダイヤモンド社)の同軸切り替え器なので、信頼性は高いのであるが、ネットなどでは安価な粗悪品も売られているようで、電気的特性などに疑問がある製品もあると聞く。
また、日本製のモービルホイップアンテナをパクッて、やはり粗悪品を安価に売っている業者もあります。たいていはC国製のようですが、ひどいものになるとロゴまでパクッてしまっているものもあるので、信頼のある店やネット通販店で購入する。あまりに安いものは怪しいと疑ってかかることも必要だと思います。
さらに言うと、アマチュア無線関係の詐欺サイトも報告されていて、ありえない価格で売っているので注文すると音沙汰がなくなるというのもあります。現金振り込みのみ、振込先が外国人の個人名というのは、もはや100%詐欺と思っていいと思います。注文する前に、会社名を検索してみると「詐欺サイトである」という報告がある場合もあるので、事前のリサーチが重要です。
この切り替え器は、パチものではなく国内の正規品なのですが、さすがに20年以上も経つと接点の汚れのせいなのか、接触不良が疑われるようになりました。
①ノイズを拾いやすくなっている。
②切り替えスイッチを触ると、ノイズが変化する。
③送信時にSWRが跳ね上がって、HI-SWRが表示されることがある。
ということで、若干の不安要素があるので、掃除をしてみましょう。M型コネクタも経年劣化によって接触が悪くなり、SWRが変化することもあるので定期的な掃除はしています。無水アルコールで洗浄すると、綿棒が真っ黒になるくらい汚れます。
分解はいたって簡単です。裏面のプラスネジを外すだけで、カバーが外れます。ダイキャスト製なので、作りはしっかりしています。とはいっても、接点は何度も切物理的切り替えによって接触/非接触を繰り返しているので、汚れている可能性があります。
綿棒で洗浄するだけですが効果は抜群で、切り替えスイッチを触ってもノイズが変化することはなくなり、ノイズ自体も低減されたので、外部からの混入が減った感じがします。すぐ隣に、強力なRFノイズをまき散らす中華製の6BQ5真空管オーディオアンプがあるので、ノイズの混入については苦労していました。たまには、メンテナンスが必要ですね。
ノイズレベルについては定量的な測定をしたわけではないので、あくまで使用感になります。
気を良くして、絶不調に陥っていたIC-706MK2Gをダメもとで開腹手術してみることにします。
①HF-50MHzで送信不可。送信するど、ぶーぶーという音がしてパワーが出ない。
②144/430MHz側は異常ない。
HF側回路に問題があるとみて、HF側のMコネから探っていくと、なんとコネクタのアース側が浮いているのを発見。(一見はんだ付けされてっぽく見える)以前、接触不良になっていたのを自分で修理したのだが、イモ半田であったようだ。オーマイガー!
しくじった半田付けを手直ししたら直りました。このリグは、ICOM社の対応不可リスト(通称死のリスト)に入っているので、メーカーでは門前払いをくらいます。そういうリグを修理してくれる業者もあるのですが、当然費用は高くつきます。思い入れがあり、どうしても修理したい場合はお願いしますが、そうでない場合は新品に換装した方が費用対効果を考えれば、得な場合もあります。(修理したとしても、今後何年もつか分からない)
IC-706MK2は、グアム・サイパン・パラオ・ヤップなどのDXバケーションに持って行って大活躍したリグなのですが、高額な費用をかけてまで修理する気はなかったので、V/UHF専用で使おうかなと思っていたところ、復活したのでラッキーでした。ただし、液晶部分については写真で分かる通り経年劣化が進んでいます。