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コンサルタントを見分ける唯一の方法

2016年07月03日 | コンサルティング

今さら言うまでもありませんが、コンサルタントは「社会人が“うさんくさいなぁ”と思う職業ランキング※1」堂々の1位です。以下、2位が探偵、3位が占い師と続き、政治家は6位、YouTuberが9位とのことです。

ところが「文系就職偏差値ランキング※2」によれば、マッキンゼーが偏差値74で1位、ボストンコンサルティングが2位、3位にベインアンドカンパニー、4位にA.T.カーニーといった外資系(アメリカ系)コンサルティング会社が、トヨタ自動車や三菱商事など錚々たる日本の一流企業を押しのけて上位を独占しています。

なぜコンサルタントはこのように評価が極端に分かれてしまうのでしょうか。

ひとつには、その仕事の内容が部外者からは見えないためだと思います。コンサルタントがクライアントである会社に出向いて「何をやっているのかわからない」のに「口先だけでお金を取っていく」と思っている人も多いようです。

もうひとつは、弁護士、会計士、税理士などのように公的資格が必要な職業とは違い、名乗ってしまえばそれで済むからです。たしかに「(自称)経営コンサルタント」は何となく詐欺師を連想させます。

コンサルタントの仕事をひと言でいえば「会社経営に対する助言」です。経営と言っても幅が広く、経営計画や財務戦略の立案といった会社全体に関するものから開発、生産、流通、営業といった機能別の改革や効率化に至るまで様々です。

コンサルタントの助言(アドバイス)によって企業の売上がアップしたり、生産効率が大きく改善したりすれば、たとえ「口先だけ」であろうと十分に価値を生み出したといえます。経営者がコンサルタントに仕事を依頼する理由はここにあります。

一方、経営者はなるべく時間(Time)とお金(Money)と労力(Effort)をかけずにそうした「価値」を手に入れたいと思っています。しかし、それは簡単なことではありません。

経営コンサルタントの中には「短時間で、安く、努力なしに」売上アップやコスト削減を口にする人もいます。そうしたコンサルタントのホームページには「簡単、驚くほど、すぐに」儲かることが繰り返し書かれています。

このブログでも何度か書いていますが、ビジネスにそんな魔法は存在しません。魔法は魅力的ですが、すぐに消えて無くなります。経営を改善するには、地道な努力を重ねる以外にありません。そのことは、依頼者である経営者自身がいちばんよくわかっているはずです。

とはいえ経営者も人間ですから、窮地に立てば迷い、悩み、藁にもすがる気持ちで魔法に頼ることもあるでしょう。そうした経営者の弱さが、うさんくさいコンサルタントを呼び寄せます。つまり、コンサルタントをうさんくさくしているのは、魔法に頼ろうとする経営者なのです。それは決して珍しいことではなく、よくあることです。

経営の改善には時間とお金と労力が必要です。そして、それを上回るリターンをもたらすのが本当のコンサルタントです。

「魔法使い」ではなく、経営者の悩みに真摯に向き合うコンサルタントは、必ず最初からそのことについてきちんと説明をするはずです。コンサルタントに依頼するときはそのことを確認してください。

それが「うさんくさい」コンサルタントを見分ける唯一の方法です。

※1 社会人が「うさんくさいなぁ」と思う職業ランキング! フレッシャーズ マイナビ

※2 2017卒用 文系就職偏差値ランキング | 就職偏差値ランキング委員会


(人材育成社)