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研修中に「何か質問はありますか?」と聞いても、「・・・」という答えしか返ってこないのに、「それでは、ここから10分間休憩にします」と休憩をとった途端、「あのー、質問よろしいですか?」と言ってくる受講者がいらっしゃいます。
そういう時には、内心「たった今質問はありますか?と尋ねたのに・・・」と思いますし、「ここに疑問に思った人が一人いるということは、他にも同じように思っている人がいる可能性が高く、それは全体で共有した方が良いから、個別の質問でない方がよいのに・・」とも思います。
質問をしたいと思っていても、大勢の前では気後れしてしまうのか、このように休憩時間や研修終了後に質問を受けることが多々あります。そして、その傾向は受講人数が多い時ほど顕著だと感じています。
もちろん、大勢の前で質問することを「恥ずかしい」と感じることや、「こんなことを聞いて周りの人に笑われないかな」と心配する気持ちは理解できますし、私自身もそのような気持ちがないわけではありません。
しかし、ここ最近はこの傾向が強くなったように感じます。では、この現象はどうしておきるのでしょうか?
それを考える時に浮かんでくる言葉が、「自意識」です。
自意識とは、自分自身についての意識で、「自分自身がどうであるか、どう思われているか」についての意識です。こうした自意識は、自分を客観的に見る上でとても大切なものだとは思いますが、この意識が強くなり過ぎてしまった状態、つまり自意識過剰になると、先の例のようになってしまい、言いたいことが言えなくなったり、行動をセーブしてしまい窮屈になってしまいかねません。
こうした自意識とはどうして起きるのだろう?と改めて考えると、他者との相対であり、他者からの承認欲求の裏返しなのだと思います。
自分は他者からどのように評価されているのか、他者と比べて自分はどうなのかが気になるのですが、これが過剰になると周囲の目や周囲の評価ばかりが気になってしまって、がんじがらめになってしまいます。
人は誰しも何らかの集団や組織の中で生きている以上、周囲との関係や周囲の目を気にすること自体を否定するものではないのですが、大切なのは他人からの評価や他人との相対評価にとらわれるのではなく、自己尊重や自己信頼感を重視することだと思うのです。
そのためには、そうした技術や能力を習得することによって、他を気にすることなく自らを律していくことが必要なのですが、これはなかなか簡単ではなさそうです。
そう考えると、まずは手始めに他人のことを「あまり気にしない」ことから始めてみるといいのではないでしょうか。
「でも、それがなかなか難しいんだよ」という方は、先日このブログでご紹介したNHK Eテレでウィークデーの朝6時55分から放送されている 0655という番組をご覧になってみてください。
今週から番組の中で「気にしないの助 音頭」という曲が流れており、その「気にしない~、気にしない~」というゆるいフレーズがここ数日、すっかり私の口癖になってしまいました。
他人のことが気になりそうな時は、こっそりこのフレーズを口ずさんでみてはいかがでしょうか。
(人材育成社)