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第898話 腕組みをする理由

2020年04月01日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

新年度になり、多くの企業で新入社員を迎えていることと思います。今年は新型コロナウイルスの影響によって、例年とは異なる対応をしているところも多いことでしょう。

入社式やそれに続く新入社員研修に関しては、企業規模によって対応がだいぶ異なるようです。通常は規模が大きくなるほど採用人数も多くなりますから、中止や延期にしたり研修期間を短くしたり、さらにはネットを通じて受講してもらうような方法に変更しているという話を見聞きしています。

集合研修については、受講者が一堂に会することによるプラスの影響力が働くことでの相乗効果が生まれるという大きなメリットがありますが、現在の状況を考えれば実施できないのは致しかたないことでしょう。

さて、遅かれ早かれ配属される新入社員ですので、受け入れる部署では新入社員を丁寧に大切に育てていただきたいと思いますが、指導等の準備は万全でしょうか。指導を始めてみると、いろいろ想定外のこともあるかと思います。

これに関して、最近気になっていることの一つに「腕組み」があります。                                        近年、年齢に関係なく、打合せの際や研修の受講者で腕組みをする人が増えているように感じています。敵対的な関係にあったり、交渉が必要になったりするような場面ではなくても、打合せの始めから腕組みをされるのです。

腕組みは、文字通り両腕を胸のあたりで組み合わせることです。これは非言語コミュニケーション(言語以外の表情や態度、口調や声の大きさなどのこと)の一つであり、物事を考えたりするときにとるポーズでもあります。

また、人によっては自信を示すために敢えて腕組みをすることもあるようです。一例として、スポーツの選手がチーム全体で試合前に写真を撮る際に、力を鼓舞するために腕組みのポーズをしているときがあります。

さらに、別の意味合いとして相手を拒絶したり相手の意見と異なったりしたときに、自分を守るという心理から腕組みをするときもあります。それゆえ、腕組みを「ゴリラポーズ」と表現する人もいるのです。

一方で、これらの意味合いとは別にただ単に腕組みが癖になってしまっていて無意識にやってしまう、という人もいるようです。

コミュニケーションにおいては、言語だけでなく非言語も大切な要素ですが、状況によっては言語よりも非言語のほうが大きく影響することがあります。仮に、言語と非言語が一致していない場合には、非言語の影響力の方が大きくなることがあります。

たとえば、上司や先輩社員に「ありがとうございます」という際に、頭を下げて「ありがとうございます」と言うのと、腕組みをして「ありがとうございます」と言うのでは、受け手の印象は全く異なってくるわけです。

最大の感謝の気持ちを込めて伝えたとしても、態度によっては誤解をされてしまうこともあるということです。

例年であれば、新入社員研修では非言語の重要性について時間をとってお話するのですが、今年はそれが実施できないわけです。そのため職場で新入社員がそのような態度をとった際には上司や先輩はぜひ、その場で適切に指導をしていただくようにお願いいたします。

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