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営業は科学である

2016年10月23日 | コンサルティング

「セールス・イズ・サイエンス(営業は科学だ)」は1970~80年代にキヤノン販売(現・キヤノンマーケティングジャパン)の社長であった滝川清一氏の言葉です。サイエンス(科学)というと物理や化学を連想しがちですが、営業という仕事を進める際の考え方、方法論が科学的であるべきだという意味です。

自然科学の分野においては、仮説を立て、実験を繰り返して理論を実証するという方法をとります。そうすることで、勘や経験ではわからなかった事実が明らかになり、その事実を利用することでさらに科学は発展してきました。

しかし、営業という仕事においてはKKD(勘と経験と度胸)がすべてという考え方が今なお根強く残っています。自然科学の考え方を利用しようとすれば、「営業は人間関係がすべてだ。理屈じゃないんだ!」と一喝されてしまうこともあります。

たしかに実績のあるベテラン営業パーソンに「営業は経験だよ・・・」などとしみじみと言われてしまうと、正直、反論できません。

ところが、実績のあるベテラン営業パーソンの行動こそ、よく見れば科学的です。ベテランは今までの経験を頭の中にデータベースとしてしまい込んであります。たとえば顧客からクレームが来たときは、その内容を分析して、「こういうときには、こういう行動をとれば上手くいく確率が高い」という仮説を導き出します。そして、それを実行します。その後、修正が必要になったら再度データを検索して検討を加え、新たな仮説に基づいた行動をとります。

実績のあるベテランほどこうしたデータの蓄積が多く、状況に応じた仮説構築が上手で、顧客対応(実証実験)をとても効率良くやってのけます。

ただし惜しむらくは、そうしたプロセスをほとんど意識せずに「実践できてしまう」ことが玉に瑕(きず)です。ですから、若手から「どうすれば先輩みたいに営業が上手くなるのですか?」と質問されても、「経験だよ、経験。お前もそのうちわかる日が来るよ」としか言えないわけです。

しかし現代は、どれほどの大企業であっても「わかる日が来るまで」待ってはいられません。営業部員の人数は減り、扱う商品は複雑化し、顧客の目はますます鋭くなっています。

今こそ営業を科学的に捉え直し、営業記録の書き方から面談時の対応、クロージングの方法までを「見える化」して、すべての営業部員が利用できるようにしなければなりません。それを実行しない企業は次々と販売競争から脱落していくでしょう。

もし、あなたの会社が営業を部門を強化して利益を増やしたいならば、コンサルタントに依頼するのが最も効果的なやりかたです。ただし、KKDの臭いがするコンサルタントは要注意です。

コンサルタントの提供するサービスが科学的な方法論に裏打ちされたものかどうかをしっかりと確かめてください。

まさに「セールス・イズ・サイエンス」です。

(人材育成社)

 


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