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文系、理系という無意味な分類

2013年08月19日 | コンサルティング

この数学の教科書と参考書の画像を見て「ああ、なつかしい」と思う人は理系、「わー、久々に嫌なものを見た」と思う人は文系のご出身でしょう。

日本のほとんどの高校や学習塾では、生徒を文系・理系に振り分けます。その振り分け基準になっているのが高校数学であることは間違いないでしょう。いや、もちろん異論や反証はあると思いますが、世間一般のものの見方は、そうなっているのだから仕方がありません。

なぜ高校時代に生徒を文理に分離(!)するのかといえば、明治中期の旧制高等学校からの伝統があるからです。旧制高校には、「文科甲類」「文科乙類」「理科甲類」「理科乙類」などがあり、(旧制)大学で学ぶ専攻もほぼ決まったそうです。

しかし、21世紀になってもこの「文系理系」メガネで物事を見ていると、とんでもない間違いを犯すことになります。

「要は、文系でも数理的な思考が必要で、理系でもヒューマンスキルが大事だと言いたいのだろう」と思ったあなたは、間違っています。数理思考やヒューマンスキルといったテクニカルな問題ではありません。人材を活用する側、すなわち管理者や経営者の問題なのです。

私は、工学部出身だからという理由で好きでもない設計を担当させられてうつになった人を知っています。一方、文学部出身ですが会社に入ってから工学を学んで開発部門で特許をたくさん取得した人もいます。これらを「極端な例」として一笑に付すか「あり得ること」として捉えるかで、将来大きな違いが生まれると思います。

管理者、経営者が「文系理系」メガネを外さない限り、優秀な人材が適材適所に配置されないという「人的資源のロス」が無くならないと言いたいのです。

「でも、その人間の適性や素養など分からないではないか。だから、ざっくりと文系、理系に分けるしかないだろう。」とおっしゃるかもしれません。しかし、それは人材育成に対する「手抜き」に他なりません。適性や素養を正しく判断して適材適所に配置するためには、その人間をじっくりと時間をかけて観察し、理解するしかないからです。

人材育成は時間と手間がかかります。しかし、正しく行えば「人」は最高の経営資源として組織に貢献することは間違いありません。

あなたに部下がいるならば、あなたは部下のことをどれくらい知っていますか?適性を正しく見抜いていると自信を持って言えますか?

(人材育成社)


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