「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「質問が多くなった」
これは、コロナ禍により予定していた社員研修が従来の対面型からオンライン型へ変更になったことを受け、弊社がオンライン研修を担当した結果の感想です。
オンライン型の研修では、チャット機能を使って講師への質問を書き込むことができます。それは質問をしようと考えていた人にとっては従来の対面型研修で受講者全員の前で質問するよりも敷居が低くなるようです。今までのように講師から「質問はありますか?」と定期的に声をかけなくても、受講者の方から主体的に質問することが多くなったように感じます。
それではなぜ「オンライン型研修時では質問がしやすくなるのか?」を考えてみると、対面型研修では大勢の前で質問することに、ある種の抵抗感を持っている人が少なからずいるということだと考えています。
大勢の前での質問に抵抗感を覚える理由を想像すると、大よそ次のようなことが考えられます。
・大勢の前で質問をすれば皆の注目を集めることになるため、それが単純に恥ずかしい。
・もしかしたら、既に説明をされていたことなのに自分が聞き漏らしていたかもしれない。質問することで、よく聞いていなかったことが皆にばれてしまうのが嫌だ。
・トンチンカンな質問をして恥をかきたくない。
・自分の無知をさらけ出すことになるのではないかという恐怖感がある。
・他の参加者の時間(別の質問をするための時間)を奪ってしまうのではないか。
などです。
一方、オンライン型研修ではチャット機能を使えば上記の心配を払拭しやすいことから、余計な心配をしなくて済むということでしょう。これはオンライン型研修のメリットの一つと言えます。
しかし、今後すべての研修がオンラインで行われるというわけではないですし、会議などもこれまで同様にメンバーが集まり対面形式で行うものは残るはずです。
そういう中で、チャットでなければ質問できないというような姿勢では今後仕事を進めていくうえで問題です。また、成長の機会を自ら失ってしまうことにもなります。
それでは、大勢の前で気後れせず質問できるようになるためにはどうすればよいのか。
これは質問に限ったことではありませんが、そのためにはスキルと経験が必要になります。
スキルとしては論理的に考えたり、結論から話したり、短時間で要領よく伝えたり、大きな声で行うことが求められます。あわせて、やはりある程度の場数を踏まなければ、身に着けることがなかなか難しい面があるということです。
今後、自らが積極的に質問することの意義やメリットを確認し、全員で確共有すること、講師としては研修の冒頭に「質問大歓迎」というメッセージを具体的に伝え、質問しやすい雰囲気を作るようにすることを継続的に行うことがますます必要になりそうです。