「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
研修の参加者が輪になってフラフープのようなリングを指で支えています。誰の指もフラフープから離さず、制限時間以内に床に置くことができたら終了です。これは「ヘリウムリング」と呼ばれるチームビルディング(チーム作り)研修の1コマです。
とても簡単そうに見えますが、実は結構難しいのです。
全員が同じ速度でゆっくりと下していけば済むのですが、途中で誰かの指が離れたら元の高さまで戻らなければなりません。メンバー全員の息がぴったり合わないと成功できないのです。
ヘリウムリング研修の目的は、チームワークの大切さに気付いてもらうことです。この研修を通じて仕事でもチームワークを発揮してもらうようになれば成功です。
そう、「・・・なれば成功」ですが、なりません。
こうしたチームビルディング研修は、堅苦しさを無くすための遊びとしての効果はありますが、研修としてはほとんど無意味です。つまり役に立たない研修です。
理由は簡単です。「私たちが普段取り組んでいる実際の仕事」の要素が無いからです。
まあ、講師が意図して「研修は楽しかった」という印象を残すためにやるものだと思ってください。
当社もゲームの要素を取り入れている研修やロールプレイングを行いますが、あくまでも仕事上の知識やスキルの獲得が目的です。
たとえば、ゲームの要素を取り入れた「質問の技法」や「原価計算の理解」といった研修を行いますが、それは「私たちが普段取り組んでいる実際の仕事」のなかで具体的にそれを使うことができるようにするためです。
リングを皆で協力して床に置いたその時は、達成感や高揚感はあるかもしれませんが、「私たちが普段取り組んでいる実際の仕事」でそのことを思い出してチームワークが生まれることはありません。
いや、思い出すこともないでしょう。
チームビルディング研修をお考えの皆さんへ。「それは研修ではなくレクリエーションです」と申し上げておきます。