「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「会社にいるインド人の社員はとても仕事ができる」、「部下の一人はベトナム人だ」など、近年外国人労働者の話を耳にすることが多くなったと感じます。私自身、この1か月間だけでも担当させていただいた企業の研修の受講者の中に、中国人と韓国人の社員が出席していました。
厚生労働省のデータによると、令和4年の外国人労働者数は182万人で、過去最高を更新したとのことです。この数字からも、外国人労働者の存在が身近になったと感じるのは当然のことと言えそうです。ちなみに、国籍別ではベトナムが最も多く46万人で全体の 25.4%。次いで中国 、フィリピンの順とのことです。
さて、この外国人労働者に関して、私が過去に担当させていただいた研修には、先述の中国人と韓国人以外にもインド人、アメリカ人、ブラジル人、インドネシア人、マレーシア人の社員が出席していましたが、いずれの方も実に前向きな姿勢で取り組んでおり、さすがその企業が採用しただけのことはあるなと思わせるような人ばかりでした。たとえば、ある中国人の若手の受講者は、私が受講者全員に対して質問を投げかけた際には真っ先に挙手し、所属している企業の理念や売上数字などを明確に答えてくれました。また韓国人の受講者は管理職として部下の育成に取り組んでいる様子や、評価の難しさを感じていることなどについて熱心に話してくれました。そして、彼らに共通している点として、単に日本語を話せるというだけでなく、きちんとした文章を書くこともできるということもあると思っています。
昨今、日本人の若手は主体性や外向性が低下している人が増えてきているのではないかと言われることが多いように感じていますが、そうした中で何事にも前向きに取り組んでいる彼らの姿勢は実に頼もしく、ある意味眩しいような存在だとも感じられます。同時にこのままの状態が続くと、やがては日本人社員の存在感がどんどん薄れていってしまうではないかという危機感すら覚えてしまいます。
既に日本では人口減少が始まり、それに伴い労働人口も減り始めています。そうすると、ますます頼りにしていかなければならないのが、先述のような技術や知識を持つ外国人労働者です。即戦力として活躍してくれる彼ら外国人労働者をいかに獲得し、しっかり育てていけるかが企業のこれからの成長の鍵を握っていることは間違いないように思えます。
このように外国人労働者がますます増えていく中では、我々も彼らの積極的な姿勢を真摯に学んでいく必要があります。同時に文化的背景の違う人たちと一緒に働くうえでは、それぞれの文化や習慣などをはじめコンテクストの違いをきちんと理解していないと、コミュニケーションをはじめ様々な問題が生じてしまいかねないことが懸念されます。
これまでもそれぞれの企業では様々に取り組んできていると思いますが、今後はますますその必要性・重要性が増していくことになりそうです。
我が国の企業や労働者を取り巻く環境は日々大きく変化し続けていますが、そうした中で外国人労働者達から様々な「刺激」を前向きに活かして、我々自身もさらに成長していくことの重要性を、彼らの姿勢から感じています。