「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
若手社員が辞めていく・・・いま経営者を悩ませている最も大きな問題ではないでしょうか。
企業が従業員を辞めさせないために行う一連の施策を「リテンション・マネジメント(retention management)」と言います。わかりやすく言えば「従業員の引き留め」策により、会社と社員との間に「良好な関係」を作り維持することです。
では、良好な関係とは何でしょうか。それは、会社(経営者)が「この会社で長く働いほしい」と思うと同時に、社員が「この会社で長く働いていたい」と思うことです。
なんだ、当たり前じゃないか。そう思われたことでしょう。
会社は、そうした「思い」を具体的に示すために、高い給与、充実した福利厚生といった経済的な報酬のほかに、公正な評価制度、人事異動や新しい仕事へのチャレンジといった制度的な仕組みを提供します。
しかし、中小企業でそれらを全て実現することは、ほぼ無理でしょう。
「全部どころか、せいぜい1つ実現できるかどうかだな」ある中小企業の社長さんはそう言いました。それが現実です。
しかし、たった1つだけ全く違った方法で社員を引き留める方法があります。
それは「未来傾斜原理」です。(具体的な内容は書籍※をご参照ください)
理論的なことはこの本をお読みいただくしかないのですが、思い切り端折って言ってしまえば、「社員は未来(将来)に価値を求めている」ということです。
中小企業が大企業に勝てる可能性があるとすれば「未来」です。社員が「この会社で長く働いていたい」と思うのは、未来に「わくわく」したものがあると感じるからです。
今から30年ほど前ですが、地下鉄の泉岳寺駅の近くで、何度が孫正義氏を見かけたことがありました。当時私は大きな会社に勤めていました。「ソフトバンク」という小さくて不安定で何をやっているのかよくわからない会社に、何人もの社員がよく勤めていられるなあと、私は半ば感心、半ばあきれていました。
後に、当時のソフトバンクに勤めていた人と話すことがあったのですが、その時に「わくわく」という言葉を聞くことができました。
「この会社の未来がどうなっていくかを考えると、なんかわくわくしたよ。」
中小企業の社長さんは「未来」を語って社員をわくわくさせてください。ただし「会社を大きくすること」を語るのではなく、「当社が○○を実現したらお客さんが笑顔になること」です。
あなたの会社にとってそれはなんでしょうか。
それが聞けたら、私もわくわくしそうな気がします。
※「未来傾斜原理: 協調的な経営行動の進化」(高橋伸夫 編著,1996,白桃書房)