中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,055話 研修を「カスタマイズ」するとき

2021年09月12日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

皆さんの会社で社員研修を行うときに、研修会社にどのような依頼をしますか?「管理職昇格者に部下指導研修を実施したいので提案してください」、「若手社員向けに仕事の効率的な進め方を教えるプログラムをお願いします」。数社の研修会社が出した提案を比較して一番良さそうな会社に決める、そして実施する。それで一つのサイクルでしょうか。

もちろんこれでも良いのですが、受講者のことを考えれば研修プログラムはカスタマイズするべきです。カスタマイズとは「顧客の要望に合わせる」という意味で使われる言葉です。

「研修をカスタマイズします」という研修会社は多くありますが、形だけ「ご要望にお答えします」というところが多いので注意が必要です。

たとえば顧客が「うちの管理職は部下に甘いので、厳しい指導方法を教えてください」と研修会社の営業担当者に依頼したとします。営業担当者は研修を担当する講師に「厳しい部下指導方法を教えてほしいそうです」と伝えます。研修講師はそれを受けて素直に実施します。

しかし、この例で言えば研修が真に効果を発揮する可能性は低いばかりか、逆にマイナスの結果を生じてしまうかもしれません。なぜなら「管理職が部下に甘い」という顧客側の担当者の認識が間違っているかもしれないからです。

もし営業担当者ではなく、講師自身が顧客と話をしていれば、講師は必ずこう質問したはずです。

「部下に甘いというのは具体的にどういうことですか?」

おそらく返ってくる答えは「いや〜、具体的にどうと言われても・・・〇〇部長から『うちの課長連中は部下に甘いからなんとかしてやってくれ』と言われたもので・・・」とか「営業のXX課長は部下が遅刻してきても怒らないので」といった程度でしょう。

つまり「厳しい指導ができていない」のではなく「部下指導そのものができていない」のです。その点を押さえず、単なる「叱りつける」研修を実施してしまったら上司と部下の亀裂は大きくなるだけです。その結果、会社の業績が落ちてしまうことは想像に難くありません。

まともな講師なら真の問題点をしっかりと引き出し、部下指導の基本的な考え方や具体的な指導方法をロープレなどを駆使して実施する案を作ることでしょう。さらに重要な点は、講義内容や演習をその顧客企業の業務に沿った形で具体化することです。

たとえば、ある業界では「正式な発注書が来る前に口頭で確認したらすぐに仕事に取り掛かる」といった「慣習」のようなものがあるとすれば、研修内容に反映します。

研修では「仕事に取り掛かる前にお客様とのやりとりをきちんと文章にして残しておく」という仕事の進め方を、部下に正しく指導できる方法を身につけてもらいます。その上で、もしも部下が繰り返しミスをするようであれば「正しい叱り方」を学んでいただきます。

このように「カスタマイズ」することは大変な手間がかかるだけではなく、講師の力量が問われる行為なのです。

あなたの会社が研修を外部に依頼しようとするならば、研修内容をカスタマイズしてもらうことは絶対に必要です。その結果が会社の業績に間接的にしろ影響するからです。

以下は研修会社に依頼する時に必ず確認しなければならないことです。

(1)その会社はカスタマイズすることの意味をきちんと理解しているか

(2)講師の質問は適切で提案内容にきちんと反映されているか

言うまでもなく、事前に講師と面談できず営業担当者だけで話を済ませようとする研修会社は論外です。

お問い合わせ【株式会社人材育成社】 

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