「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「じゃあ、あんたがやってみせてよ!」一所懸命に仕事をしていてもなかなか結果が出ないことがあります。そんなときに傍(はた)からああだこうだ言われたら、ついそう言い返してしまいそうです。
プロ野球の試合を見ていて、誰かが「今のゴロくらい捕れよ!」と選手に野次を飛ばしても、「じゃ、お前やってみろよ!」と選手から言い返されることはないでしょう(あったら面白いのですが)。プロに対して素人である観客が野次を飛ばす、文句を言うのはご愛敬です。
また、職人が作業中にしくじったとき、親方から「何やってんだ!」と言われたとします。職人は「じゃあ、あんたがやってみせてよ!」とは言わず「どうすれば良いか教えてください」と言うでしょう。
プロとお客、師匠と弟子のように、技量が明らかに違う場合は良いのですが、それがはっきりしない会社の仕事においてはなかなか難しいものがあります。しかし、このフレーズがある意味、役に立つことがあります。
たとえば、経理部から営業部に異動してきたばかりの課長が、成績が悪い部下に「もっとお客様への訪問回数を増やしなさい」と言ったとき、「じゃあ、課長がやって見せてくださいよ!」と切れたように言い返す、そういうことは大いにあり得ます。
その課長が上司の部長に「きちんと部下を管理しろ!」と言われたとしても、「じゃあ、部長が・・」とは言わないのが一般的な職場の不文律です(中間管理職は大変ですね)。
こういうとき、あなたが課長だったら部下に対してどのように対応しますか?
答えは色々あると思います。ちなみに私が過去に管理職だったときには、幸い部下にそう言われたことはありませんが、仮に言われたとしたら黙って引き下がっていたと思います。そして部下の人事評価を最低ランクにして、部長に対して「あいつは全然使えないので他の部署に異動させるべきです」と言ったと思います。
陰湿ですか? いいえ、これが正しい答えです。「じゃあ、課長がやって見せてくださいよ!」などという営業担当者は異動させるべきです。そして、そのことを職場の全員に知ってもらうことも必要です。
研修講師や「部下育成の本」が何を言おうが、いい歳をした大人の性格や考え方を変えることはできません。上司が部下を育てるのは「育てるに値する部下」だけです。経営者はそのことを社員全員に「正しく」知らしめるべきです。それを怠ると会社の業績はどんどん悪くなっていきます。
「育てるに値する部下」とは上手く行かなくても、失敗しても「自分事」として捉え、アドバイスには素直に従う社員です。そういう社員に対しては上司だけではなく全員が全力でサポートする。そういう組織文化をつくることが大事です。
とはいえ、人間、イライラしている時に文句を言われるとつい「じゃあ、・・」と言いたくなることもあるでしょう。上司・先輩の立場にいる人はそんなことを言われたら「育てるに値する部下」とはどいうものか、きちんと説明してあげてください。ただし2回までです。3回目は「人事評価」ではっきり白黒(黒白)をつけましょう。
え?このブログの主張には納得できないですって?
じゃあ、あなたが書いて見せてください!