中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,016話 部下が思い通りに動かないと悩んでいる上司へ

2021年04月21日 | コンサルティング

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「社員に会社の理念やビジョンがなかなか浸透しない」、「部下に部や課の方針を何度説明しても、行動に結びつかない」、「指示をしてもイメージした通りに動いてくれない」

これは経営者や管理職の方々とお打ち合わせをする際に、「定期的」と言っていいほどにお聞きする言葉です。とはいえ、これらは私が人材育成の仕事に就いた30年ほど前から継続して聞いていますので、上司から部下に対しての普遍的な悩みの一つだと感じています。

このような話を聞くたびに思い出すのは、「大阪城の火事」の話です。出典はわかりませんが、例えとしてよく使われる話で、皆さんはお聞きになったことはありますでしょうか?

戦国時代の武将、豊臣秀吉が冬の強風の夜に家老を集めて「今夜は風が強いから火事に気を付けるように」と指示をしたそうです。それを聞いた家老は自ら行動することなく、そっくりそのまま奉行に対して同様の指示をしたのです。そうしたところ奉行もまた自身では何もせずに、足軽に同様の指示をだしたのです。結局、誰も具体的に動くことがないまま、その夜に大きな火事が起きてしまったという逸話です。

この逸話からは様々な教訓が得られそうですが、大きく分けて3つのことが考えられます。 

1つ目は、それぞれの役割を明確にする必要性です。この例で言えば、秀吉からはじめに指示を受けた家老が奉行へ指示を出す際に、ただ「火事に気を付けろ」で済ますのではなく、「見張りの人数を増やせ」、「今夜は自宅には帰るな。城につめていろ」、「水をたくさん用意しておけ」、「見回りの回数を増やせ」などの具体的な指示をすれば火事を防げたかもしれません。足軽に対する奉行にしても同じことです。

2つ目としては、誰もが主体的な動きをしなかったということです。家老も奉行も上司の言葉をそっくりそのまま部下へ伝言をしているだけだったのです。自分では何もせず伝書鳩のように伝えるだけでは、所詮は他人事の対応にすぎないとも言えます。誰もが他責(他人の責任)や受け身の姿勢でなく、能動的・主体的に動けば火事は防げたかもしれません。

3つ目としては報告・連絡・相談が徹底できていなかったということです。各々の立場で指示した後に、上司に対してきちんと報告をする体制ができていれば、(この場合は指示が足りないので)上司が再確認をして火事は防げたかもしれないのです。

経営者や上司の皆さん、冒頭の例のように「社員や部下が思うように動かない」などと考えられているようであれば、何らかの動かない原因があるはずですので、それを探る必要があります。まずは「大阪城の火事」の教訓を参考に、ぜひ一度自分の「指示」をチェックしてみてください。

指示は具体的にしているか、自分や部下が主体的に動くようにしているか、事後の報連相を徹底させているかなどの観点から問題がないかをチェックすることです。そして必要であれば自分の指示の仕方や表現の仕方を変更するなど、積極的に取り組んでみていただきたいと思います。(冒頭の写真はWikipediaより)

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