「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「3K」と言えば「きつい・汚い・危険」の略で、主に肉体労働を指した用語と言われています。しかし、現代の経営者が学ぶべき3つのKは「会計(かいK)、統計(とうK)、経済(Kざい)」です。なぜ学ばなければいけないのか、3回にわたってお話しします。今回はその(1)会計です。
「会計なんて知ってるよ。毎月の売上と粗利はちゃんと見てるし、コスト削減は徹底的にやっている」中小企業の経営者の多くはそう答えます。たしかに損益計算書(P/L)はきっちり見ている方が多いことは確かです。今月の売上金額はどうだったかた、仕入価格の変動はどうだったか、取引先からの入金は大丈夫か・・・そういったことは経営者ならまず100%押さえているはずです。
では、貸借対照表(B/S)はいかがでしょう。「ああ、決算の時に作るあれね」くらいではありませんか? 言うまでもなく貸借対照表(B/S)は左側に「資産」、右側の上に「負債」、その下に「純資産」の部があります。もしも毎月B/Sを作っていて、それを見て自社の「財政状態」を把握されているとしたらとても素晴らしいことです。
日々の取引で商品が売れたり、給与を払ったりすれば「その都度」会社の数字は上下します。リアルタイムに変動する売上や利益を把握しておきたいので日次(毎日)でP/Lを見ることができるようにしている会社もあります。しかし、P/Lは「仮定法」の世界の数字だということをおわかりでしょうか。くだいて言えば「たられば」の数字です。
たとえば、1千万円の売上があったとします。原価は800万円だったとすれが粗利は200万円です。もちろん、売れたらその場でお客さんが1千万円をあなたの会社の銀行口座に振り込んでくれるならば何も問題はありません。しかし、そんなことはまずありません。1千万円は「売掛金」つまり「ツケ」です。ツケは振込まれるまでは「たられば」です。確率は低いかもしれませんが、お客さんが倒産してしまったら消えてなくなります。
B/Sには「現金・預金(今現在の現金と口座の残高)」が資産の部の一番上にあります。その下に売掛金の残高が記載されています。つまり現実と「たられば」がはっきりとわかる形で示されているのです。負債の部を見れば「借入金(借金)」の残高や「買掛金(ツケで買った分の残高)」があり、これから出ていくお金の額もわかります。
純資産の部では資本金が目立ちますが、「利益剰余金」のように会社がため込んだ利益(内部留保とも言います)が記載されています。あなた会社の内部留保はどれくらいありますか?
このようにB/Sには会社の「現時点」での財政状態が一覧になっているのです。決算の時に「ちらっ」と見るだけではもったいないではありませんか? 経理部長に頼んで、少なくとも月次で貸借対照表(B/S)を作ってもらってはいかがでしょう。経理担当者が「プロ」ならば必ず作成してくれます。
さて、貸借対照表(B/S)以外にもキャッシュフロー計算(C/S)があります。P/L、B/S 、C/Sを合わせて財務3表と言います。財務3表についてはまた別の機会にお話ししたいと思いますが、とりあえずB/S(バランス・シート)は積極的に見るようにしてください。
B/Sを見ればあなたの会社の「健康状態」が一目でわかります。
※ちなみに上記画像は商用のストック画像ですが、間違っています。どこがどう違うか、調べてみてください。