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第1,008話 スライドの枚数が多すぎると、伝えたいことがぼやけてしまう

2021年03月24日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「パワーポイントのスライドの適正枚数はどのように決めればよいですか?」

これは、弊社がプレゼンテーション研修を担当させていただく際に受講者から定期的に受ける質問の一つです。皆さんはこの点についてどのように考えられていますか?

もちろんこれはプレゼンテーションのテーマや目的、与えられた時間、さらにそのプレゼンテーションを聞く人数や会場の広さなどによっても異なりますので、一概に何枚がよいと言えるものではありません。

さらにコロナ禍の現在では、対面のみならずオンラインによるプレゼンテーションが圧倒的に多くなりましたので、対面かオンラインかによっても異なるだろうと思います。

これに関して、実は私自身がこの1か月ほどの間に対面セミナーとオンラインセミナーそれぞれを受講する機会があったのですが、いずれのセミナーも共通してスライドの枚数が非常に多かったのです。具体的にはどちらも2時間でのセミナーでしたが、配付されたスライドは80枚で、それ以外に配付はされなかったものの投影されたスライドが30枚ほどもありました。

プレゼンテーターの気持ちを想像するに、伝えたいことがたくさんあり、つい枚数が増えてしまったのだろうと思います。そう考えればサービス精神が旺盛だったとも言えるでしょう。

しかし、聞く側の立場で考えると、これは必ずしも有難いことではないようにも感じました。なぜならばプレゼンターがスライドを最後まで消化することが目的化して進めてしまっていたように感じられたからです。途中で「残り時間が少なくなってきましたので、急いで進めます」などと言いながらスライドを読み続け、1分の間に何枚ものスライドが忙しく切り替えられていきました。

あまりにスライドの枚数が多すぎたため、セミナー終了後にプレゼンターの伝えたいことが少々ぼやけてしてしまったような印象を持ちました。同時にスライドの文字を読み進めるだけなら、敢えてセミナーに出席しなくても資料だけでもこと足りたのではないかとも感じました。

対面にしろオンラインにしろ、プレゼンテーション(研修やセミナーを含む)でのメインはスライドなどの資料ではなく、あくまで伝え手(プレゼンテーター)のはずです。伝え手が自身の経験談や事例を語ったり、強調したいことは繰り返したり、ときには身振り手振りを入れたり表情豊かに伝えることによって、聞き手にしっかりと話が伝わるはずです。

しかし、スライドの枚数があまりにも多くなると、伝え手がスライドの説明に縛られてしまいます。結果として予定調和で進めることにならざるを得なく、前述のような対応ができなくなりることは本末転倒だと言えます。

私にとってもプレゼンテーションをする際は、対面・オンラインを問わず、与えられた制約条件の中で聞き手に最大限伝えるためには、スライドに頼り過ぎてはいけないということを改めて考えさせられたセミナーでした。

さて、年度末そして新年度を迎えるこの時期、プレゼンテーションの機会が増える人も多いでしょう。「自分の話をしっかり伝えるためには、スライドに頼り過ぎない」を、ぜひ参考にしてみてください。

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