「そうそう」。「わかるわかる」。
昨日のNHK クローズアップ現代のテーマは「共感力」でした。人に同意したり、映画を観て涙を流したり、サッカーで大騒ぎをしたり。今、心を揺さぶられる思いを共感する、共感力の影響が様々な分野に広がっているそうです。
この「共感」自体は、決して新しい概念ではないのですが、共感がまた新たな別の共感を呼ぶというように、人を動かす原動力となったり、新たなコミュニケーションの手段として認識されているのだそうです。
番組では、共感をベースにした事例がいくつか紹介されていました。コミュニケーションが企業の認知度を高めたり、マーケティングにつながったり、さらに問題解決に共感力を使って功を奏している例や、従業員のやる気が一変し、売り上げアップに貢献した組織改革の例も紹介されていました。
成功事例の中で、私がぜひ実践してみたいと思ったのが、話し合いなどの前にアイスブレイクの一つとして行われる自己紹介の場で、共感を取り入れるというものです。
自己紹介の時に、「実は、私は、・・・」と言って、自分の秘密を暴露する。それをお互いに共感しあうようにすると、その後の話し合いなどで自分の考えを一方的に押し付けずに、相手の意見を聞く雰囲気が生まれ、合意形成に結びつくという例です。最初に自分の本当のことを話すことで、共感を得る。その有効性は大きいようですね。
さて、本日は社長、管理職のための「ほめ方・叱り方」セミナーを行いました。職場で部下をほめること、叱ることが苦手な管理職の方がとても多いようです。特に、叱る場面では一方的な叱り方になってしまうと、部下にはその思いが伝わらないことになってしまいます。
せっかく叱ったり激励したりしても、それに共感してもらえなければ、部下のその後の行動にはつながらないわけですから注意しなければなりません。「共感力」をどのようにうまく使うか、ここに一つヒントがありそうな気がしています。
そして、番組の中でもありましたが、実は共感と反感は紙一重。日本人は反対意見を聞くのが得意ではないそうですが、そうかといって、100%の共感もなかなか得られないでしょう。ですから、まずは10%双方で共感できたら、それを大切にする。こうした気持ちでコミュニケーションしていきたいと思います。
(人材育成社)