「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
最近は副業を認める企業が増えてきました。マイナビの調査※によると、副業・兼業を認めている企業は全体で49.6%だそうです。副業の多くは「スキルマーケット」を利用する場合が多いようです。スキルマーケットとはネット上で個人の技術や知識を売買する仕組みです。イラストやホームページの作成、外国語の翻訳、様々なアドバイスなど、個人が持つ得意技をマーケット上に公開して、それらを必要とする顧客が検索して比較し、購入します。フリマの一種のようなものでしょうか。
さて、副業は関係ないという方にとっては、そんな話はどうでも良いことだと思われたかもしれません。しかし、個人の知識やスキルが「売り買いできる」つまり金額で評価されるものだということは十分に認識しておくべきです。
現在、雇用形態がメンバーシップ型からジョブ型に変わりつつあります。簡単に言えば、終身雇用のようなチームワーク重視の組織から米国のようなプロフェッショナル集団の組織へと変化しています。明日からいきなりジョブ型に変わるということはないでしょうが、徐々に個人のスキルが企業の中でクローズアップされてくることは間違いありません。
そのうち社員1人ひとりのスキルを市場価格で評価する仕組みが現れるでしょう。そのときの「スキル」とは資格や技能に限らず、論理的な思考力やコミュニケーション能力、部下育成力といった客観的に判断することが難しいものも含まれると思います。
たとえば、エンジニアの技術的なスキルは比較的はっきりと知ることができますが、人を育てる技術を測ることは大変難しいのです。一方、企業にとってはコミュニケーション能力に欠ける優秀なエンジニアを採用するよりも、若手の技術者を育てることができるマネージャーを採用した方が中長期的にはより大きな利益が得られると考えるかもしれません。
そうした企業のニーズが、部下育成力のような「見えないスキル」を可視化していくことは間違いありません。その方法が「テスト」なのか、あるいはAIを使ったまた別の手法なのかはっきりとは言えませんが、社員の「見えないスキル」が市場価格で判定される日も遠くないでしょう。
「その日」が来る前に、若手だけではなく、すべての社員が自己啓発や研修を通じて「見えないスキル」を付けておく必要があります。
※ マイナビ「働き方、副業・兼業に関するレポート(2020年)」:2020年1~7月に中途採用業務を行った企業、1,910社の人事担当者を対象