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第1,101話 「知っていることばかり」はなぜ残念か

2022年02月27日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

研修終了後のアンケートで、たまにですが「講師の話は全部知っていることだった。もっと新しいことが聞きたかった」というコメントをいただくことがあります。30名以上が参加する公開セミナーの場合、それはほとんど毎回と言って良いでしょう。こうしたコメントをいただくと、私は講師として大変残念な気持ちになります。

この話を知り合いの研修講師にしたところ「たとえ知っていることでも学ぶ姿勢があれば自分のためになるはずです。それをしない人がいても残念に思うことはありませんよ」と少し憤慨した様子で言いました。

たしかにその通りです。ただし、私が残念に思っている理由は受講者を「救ってあげられなかった」からです。「知ってるよ、そんなこと!」と書く受講者のほとんどは(知っているけど)実行していません。「講師の言っていることは全部職場で実行しているので、違う話を聞きたかった」ではなく、ただ「知っている」と言いたかっただけなのです。

講師が伝えたことを実践すれば、仕事は多少なりと改善します。実践しなければそれはありません。つまり、知っていようが知っていまいが、仕事には何の影響も与えないのです。

実際、「知っている」のに実践できないとすれば、手の打ちようがありません。たとえば、机の上に置いてあるコップが倒れて水がこぼれてしまったとします。すぐに雑巾で拭き取らないと書類やキーボードが濡れてしまいます。そのとき「雑巾で拭けばいいんでしょ。知ってるよ!」と言って傍観していたらどうなるでしょう。

無知な人と知識のある人の境界には実践というラインが引かれています。そのラインを超えない限り知識は役に立ちません。それは、仕事でも全く同じことなのです。

「知っているけどやらない」・・・私はこういう考え方をする人のお力にはなれません。だから、残念な気持ちになるのです。いや、むしろ可哀そうに思ってしまいます。

ひとつだけ方法があるとすれば、「実践したいけどできていない。どうすれば良いのか?」と講師に質問してください。その時は必ず「実践できない理由」を述べてください。とはいえ、私が今までに経験した範囲ですが残念ながら「できない理由」のほとんどは「したくない理由」でした。その場合は大変申し訳ないのですが、なす術がありません。

そして「もっと新しいことが聞きたかった」という方には、関連する書籍をご紹介します。さらに知識を増やすことができるでしょう。

知識が増えることで満足されるならば受講した意味があったと言えるかもしれません。

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