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郵便局にて

 木曜日、お稲荷さんへ行く道すがら、問題集の代金を振り込もうと郵便局に立ち寄った。初めて行く小さな郵便局だったが、振込みくらいはできるだろうと思って入ったのだが・・。問題集会社から送られてきた振込用紙に記入してある代金とは違う金額を納入したかったので、訂正した金額を書き込んでおいたところ、
「訂正印を押してください」
と職員に言われた。「かたいことを言うなあ」と思ったが、それも当然のことなので、妻に印鑑を持っていないかたずねた。だが、あいにく「持っていない」という返事だったので、
「ハンコは持ってません」と言ったところ、
「それじゃあ申し訳ありませんが、受付できません」
と言われてしまった。郵便局の振込用紙を使えばいいのだろうが、そうすると振込み料金を取られる。それもバカらしいので、翌日にでも近くの郵便局に行くことにした。
 そして翌金曜日、家から一番近い郵便局に出向いた。そこは駐車場が狭いので、私が車に残って妻に振込みをしてきてくれるよう頼んだ。もちろん訂正印は押してあったので、スムーズにいくだろうと思っていたら、すぐに妻が戻ってきて、
「振り込み金額が10万円を超えるから、本人確認が必要なんだけど、振込用紙には塾の名前が書いてあるから、塾の登記簿か何かを持ってきてくれなけりゃ受付できないって言われた」
と、何だか難しいことを言う。
「何それ?」
「免許証とか個人の身分証ではだめなんだって。堅苦しいこと言うよね」
「じゃあ、どうやって振り込めばいいんだ?」
「通帳から送金すればいいんじゃない?キャッシュカードがあればそれが身元証になるだろうから」
「めんどくさいなあ」
「仕方ないでしょう。オレオレ詐欺とかの間違いを防ぎたいんじゃないの」
 家に戻って、郵便局の通帳とキャッシュカードを持ってもう一度出かけた。だが、キャッシュコーナーに何人も並んでいた。そこに加わってしばらく待たなければならないのがいやで、もう一つ遠くにある郵便局に行くことにした。途中、
「私名義の通帳から送金したとすると、相手の通帳には送金先の名前が塾名ではなく、私の個人名が記入されてしまうのではないか?それだと塾からの入金だと分からなくなってしまうかもしれない。郵便局には塾名義の通帳はないから、新しく作った方がいいかな・・」などとあれこれ考えながら、目的の郵便局に着いた。そこは運良くガラガラだったので、「一応聞いてみるか」と思って、受付で、
「これ送金できますか?」と振込用紙を見せてみた。
「ええ・・、お客様のサインがいただけるんでしたら、できると思います。それと本人確認ができるものを・・」
「免許証でいいですか?」
「はい、お願いします」
私は免許証を取り出し、申し込み用紙の塾名の横に自分の名前をサインした。それを渡すと、受付の人は同僚に向かって、
「免許証と住所が同じだからいいよね」
と確認をとっていた。その人も「いいですよ」と言ってくれたので、めでたく送金を完了することができた。ああ、苦労した・・。

 郵便局も経費節減のために正規の職員よりもパートタイマーを増やしていると聞いたことがある。郵政民営化で、労働環境も厳しくなったとの愚痴も、保険の外交にやって来る人から聞いたこともある。今回の受付をしてくれた郵便局員の人たちは、以前から勤めている人たちであり、色々な状況をしっかり把握しているようで、やはり仕事もしっかりしている。それに引き換え、私の家の近くの郵便局は行くたびに働いている人の顔が違っていて、応対がしどろもどろになる場合もある。素人に毛が生えたような知識しか持っていないようでは、安心できない。もっとプロ意識の高い専門の人を常駐させてくれないと、困ってしまう。
 鳴り物入りで始まった民営化が今のところうまく運営されているのかどうかはよく知らないが、時々感じるこうした「不便さ」は何とかして欲しい。


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