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視察

 今週初めからずっと草刈機の音がしていた。我が家の横にある崖に鬱蒼と生えた下草を刈り取るためだ。少し前に大雨で土砂崩れを起こした場所でもあり、草を刈ってしまっても大丈夫なんだろうか、と心配になった。応急処置を施して青いビニルシートで覆われた箇所はそのままになっているので、もしまた大雨が降ったりしたら、とちょっと不安になる。週末には作業が終わったようなので、私が崖に上って「視察」してみた。
 

 崖の下から眺めると、えらくさっぱりして気持ちがいい。下草がびっしり生えていた以前の状態では、とてもがけ崩れの箇所まではたどり着けそうもなかったが、これなら楽に行けそうだ。崖面に鉄製の梯子をかけて上ってみた。

 

 いざ上って見るとめちゃめちゃ歩きにくい。斜面が急だということもあるが、刈り取った笹の茎が5cmほど残っていて、いたるところから出ている。何も考えずに草履で上ったものだから、その笹の芽のツクツクした感触が草履を通して足の裏に響く。足がもつれそうになるが、所々に残っている木の枝には、鋭い棘が出ていて、迂闊に触ろうものなら怪我をしてしまう。参ったなあ・・、と上ったのを後悔したが、まあ、それも慣れてしまえば何とかなるだろうと思って、ゆっくり踏みしめながら歩いていった。

  
 お昼少し前のちょうど陽が一番高くなりかけた頃だったので、木々の間から漏れてくる光も強い。今週は暑さが戻ってきたようで、日中は汗ばむ。だが、やはり空気は秋の気を孕んでいて爽やかだ。この崖を歩いたことなど滅多になかったので、見慣れた家の周りをいつもと違うアングルで眺めてみると新鮮な印象を受ける。我が家はまさに、「崖の下のポニョ」だ・・。

 

 何とかがけ崩れのあった所に着けた。青いシートで覆われていて、どれだけ斜面がえぐられているのかまったく分からないが、土砂が流れ落ちないように木の杭で段々に囲ってあるのが見える。これなら安全、などとはとても思えない。しかし、下草を刈ったといっても、地表に出た部分を刈り取っただけなので、根はしっかり残っていて、土砂をしっかり抱え込んでいるように思えた。もちろん大量の雨水が流れてくれば、そんなものでは支えきれないだろうが、とりあえずは役に立ちそうに思える。もちろん私の素人考えであり、何の根拠もないのだが・・。

 実は、このところ私の住む辺りでは天変地異が起こるとの噂が広まっていて、まったく信じていない私でも些か気にはなるほどになっている。私が「視察」してみたところで、どうにもならないのは分かりきっているが、何が起こっても対応できるだけの心の準備は常日頃から怠らないようにしようと思っている。まさに「備えあれば憂いなし」である。
(どんな噂かはまた明日にでも・・)
 
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