![]() | 遠き落日〈上〉集英社このアイテムの詳細を見る |
★ 渡辺淳一氏による野口英世の伝記小説である。
★ 野口英世といえば黄熱病の研究で知られ、日本を代表する偉人の一人である。しかしそんな彼にも幼い頃はあったし、後世の人が描き上げるような模範的な人物像とは違った人間的な面をもっていた。
★ たとえばお金のこと。詐欺とまでは言わないが、借りたお金にかなり無頓着だったようだ。もちろん確固たるコネもなく明治と言う時代に単身アメリカに渡るのであるから、細々とした精神の持ち主では到底生き残ってはいけない。
★ ある種の図太さと狂気にも似た熱心さ、集中力があればこそあれだけの業績を残せたのだ。
★ この小説の面白さは、人間・野口英世に接することができる点である。