じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「アメリカン・ビューティ」を観た

2010-08-17 23:11:18 | Weblog
★ 「アメリカン・ビューティ」を観た。と言っても、3回目になるだろうか。

★ 表面的に見れば家族の崩壊と中年男の再生の話だが、深く見れば底なし沼のような映画だ。シリアスなテーマをコミカルに描いているところがすごい。

★ 「セックス・アンド・ザ・シティ」にも通じるものがあるのだろうか。

★ 映像美としては赤が印象的に使われている。少女たちのみずみずしさは絶品だ。さすがに中年男を魅了するはずだ。

★ 「あらゆるものに美は存在する。それを感じ取れるかどうかだ」と訴えかけているようにも思う。

★ 黒澤明監督の「生きる」も思い起こす。主人公が死を前にして、「生きること」を取り戻した映画だ。

★ 「アメリカンビューティ」の主人公も娘の同級生に魅かれると言った意表を突くきっかけで、再生への道を歩みだす。そしてそれはきわどい綱渡りをしていた偽装家族を一気に破綻させる。静止画像に埋められていたキャラクターがそれぞれ人格を持って動き出したようだ。

★ 不純な(本人にとっては至って純な)動機から始まった主人公の自分探しは、再生を自覚した瞬間に「死」を迎えると言う皮肉な結末で終わる。「人生はそんなものさ」とか、「ドラマだから」という思いも込み上げてくるが、「死」が救いであるようにも感じる。

★ フランス映画のような理屈っぽさはないが、噛めば噛むほど味が出るスルメのような映画だと思った。
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「沈まぬ太陽」を観た

2010-08-17 10:21:25 | Weblog
★ 「沈まぬ太陽」を観た。言うまでもなく日本航空を舞台とした作品である。

★ 日航機事故、その背景にある日航の経営体質。かつて労働組合で共に戦った2人の人物を対比させながら、企業のあり方、企業人のあり方を問うている。

★ 導入部分の日航機事故はリアルな再現を試みている。ダッチロールの中で男性が遺書を書く場面があった。現実にある遺書の再現だが心打たれる。大阪に1人で旅立つ少年の姿。彼の前に立ちはだかる運命を誰が予想したであろうか。

★ 現実の事故の模様なもっと凄惨であったはずだ。その描写は極めて抑制されたものになっている。今なお残る傷跡への配慮だろうか。

★ それにしても利権に群がる人々の姿には辟易する。これが親方日の丸企業の姿なのであろう。政治家、官僚、企業経営者の癒着ぶりは目に余る。そうした人々にも言い分はあろうが、日航のその後を見れば、寄生虫がついに宿主を食いつくしたということだろう。

★ 中曽根氏、後藤田氏、金丸氏、三塚氏など当時の政界の人々もモデルとされている。瀬島氏の演技には鬼気迫るものを感じた。

★ 日航が破綻し、日航の利権に巣食った人々の誰が責任ととったのだろうか。日航は一企業ではあるが、その体質は昔の日本の軍隊、政治組織と何も変わっていないように思えた。 
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