じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

角田光代著「さがしもの」を読む

2017-08-07 18:59:02 | Weblog
☆ ある日、少女が学校から帰ると母が泣いていた。祖母が死んでしまうというのだ。

☆ 次の日から、病院の祖母を見舞うことが彼女の日課になった。

☆ 少女は、祖母からある本を探してほしいと頼まれる。しかし、その本は見つからない。絶版になっているらしいのだ。

☆ 「あんたがその本を見つけてくれなきゃ、死ぬに死ねないよ」と祖母。「もし、あんたが見つけだすより先にあたしが死んだら、化けて出てやるからね」と続ける。

☆ しかし、本は見つからないまま祖母は死んだ。その本には、どんな秘密があるのだろうか。


☆ エッセイのような小説だった。


☆ 高校受験対策の問題集に一部が出題されていた。問題文では、本を探すように頼まれたが、なかなか見つからない場面までが引用されていた。

☆ おばあちゃんは、その後どうなったのか。本は見つかったのか。それが知りたくて読んでみた。


☆ 春の日の想定外の展開には驚いた。そこからの日々は速足すぎると感じたけれど、おばあちゃんの教訓は少女の中にずっと生きていてよかった。

☆ 「ひ、と思った」「ぎょえ、と声を出してしまったくらいだ」という表現が面白かった。


☆ 「さがしもの」は本をめぐる短編集「さがしもの」に収められている。他の作品も読んでみたい。

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江國香織著「デューク」を読んだ

2017-08-07 17:01:27 | Weblog
☆ その女性は泣いていた。

☆ 駅までの道、駅の改札口、ホーム、そして電車の中でも泣いていた。人の視線などはどうでもよかった。

☆ 昨日、ずっと飼っていた犬が死んだのだ。その犬の名前がデューク。


☆ 女性は電車の中である青年と出会う。なきじゃくる彼女をかわいそうに思ったのか、席をかわってくれたのだ。

☆ それがきっかけで、女性と青年の奇妙なデートが始まる。

☆ クリスマスソングが流れる夕暮れ。それぞれの居場所に帰る時がやってくる。

☆ 青年の最後の二言。ここで涙腺が爆発する!


☆ この作品、2001年の大学入試センター試験の国語に出題されたという。

☆ 多くの受験生が、作品に涙したそうだ。残酷な出題者だ。

☆ こんな短い作品でも、人を感動させることができるのだ。すごい。

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