☆ 庭に百日紅(サルスベリ)の花が咲いている。
☆ 百日紅と言えば、さだまさしさんの小説「解夏」を思い出す。
☆ 小学校の教員が病におかされ失明する物語。長崎の美しい風景を背景に、主人公の葛藤、周りの人々の気遣いが描かれていた。
☆ 大沢たかおさん、石田ゆり子さん主演で映画化もされた。寺で出会った老人(松村達雄さん)の話には癒される。
☆ 視力を失ったその日、主人公とその恋人は山門までの道を歩いていた。彼はもはや乳白色の光しか感じることができなかったが、心の中には故郷の風景がくっきりと刻み込まれていた。その山門に咲いていたのが白い百日紅の花だった。
☆ 「解夏であった。」という最後の一文がずっしりと心に残る。