じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

半村良「愚者の街」

2020-04-26 18:50:50 | Weblog
★ 半村良さんの「雨やどり」(集英社文庫)から「愚者の街」を読んだ。

★ 夜の新宿、作者は駒井という人物に会った。高校時代の同級生で20余年ぶりの再会だった。思いがけない旧知との出会い、二人はあるバーへ。そして語られてゆく駒井の20年の物語。

★ 夜の飲み屋街で生きる人々の悲しくもあり、それでいてささやかな喜びを味わう術をもった人々の自負を感じさせる話。

★ 読者もついつい彼らの会話に参加させられてしまう。ビールでも水割りでも、ちょっとほろ酔い気分で読むのに良い作品だった。

★ 今は自粛して休業の街。酔いたい人々はどこを彷徨っているのやら。
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映画「国家が破産する日」

2020-04-26 16:17:47 | Weblog
★ 韓国映画「国家が破産する日」(2018年)を観た。見ごたえのある映画だった。

★ 1997年、経済成長を遂げ世界第11位の経済大国となった韓国、しかし通貨危機が迫っていた。

★ 国家の破産を予見した韓国銀行(韓国の中央銀行)の通貨政策チーム長はその危機を訴えるが、政権はむしろその危機を隠蔽しようとする。そうこうしている内に、連鎖する倒産、外国資本の引き上げ、格付け機関による格下げ、韓国経済は急激に悪化する。

★ 切羽詰まった韓国政府は国際通貨基金(IMF)の支援を求める。しかし、IMFが提示した条件は、韓国経済の自主性を大きく制約するものだった。そしてIMFの背後には市場開放を求めるアメリカ資本の影が・・・。

★ この危機は韓国にとって「黒船」だったのかもしれない。旧来の経営慣行が破綻し、構造改革が進む。この混乱の中で、うまく生き延びあるいは富を手にしたものと、没落してゆくもの。中流階層の崩壊があった。

★ 危機を迎えた韓国の姿はバブル後の日本経済にもあてはまりそうだ。少数の富めるものと多数の貧しい者。格差社会の広がりだ。

★ 財政再建が遠のく一方の日本。デフォルト、債務不履行、国家破産は決して他人ごとではない。
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