じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

島田荘司「里美上京」

2020-04-22 19:32:07 | Weblog
★ 島田荘司さんの「最期のディナー」(文春文庫)から「里美上京」を読んだ。

★ 宮本輝さんの「夜桜」が神戸の街をイメージさせるなら、「里美上京」は横浜めぐりと言ったところだ。私は横浜を訪れたことがないので、「馬車通十番館」「山手十番館」などとても興味深く読んだ。

★ 島田さんと言えば御手洗シリーズが有名だという。私は読んだことがないので、これからチャレンジしてみたい。

★ 「里美上京」に事件らしきものは出てこない。謎と言えば里美という女子大生だ。話し手の石岡先生とはかつての「龍臥亭事件」で出会ったという。当時高校生だった彼女が広島の大学に進学の後、横浜の大学に編入してきたという設定になっている。(著者自身のあとがき参照)

★ 20歳以上も年下の女性とのデートはうらやましい限りだ。石岡先生もまんざらでもなさそうだ。石岡は彼女と20年前に同じ道を歩いた「良子」という女性をダブらせる。「あとがき」によると、彼女のことも別作品を読めばわかりそうだ。

★ そういう感じで、この作品は島田作品に誘っていく。

コメント

宮本輝「夜桜」

2020-04-22 16:44:56 | Weblog
★ しばらく小説から遠ざかっていたが、また読み始めようと思った。いきなり長編はきついので、当分は短い作品を中心に。

★ 宮本輝さんの「幻の光」(新潮文庫)から、「夜桜」を読んだ。神戸近郊の山の手に住む50歳代の女性が主人公。

★ 神戸近郊の山の手というとリッチな感じがする。確かに南を向けば海、北を向けば六甲の山並みが見える。それに彼女の住む家の庭には見事な桜が咲き、隣家の灯りが良いライトアップになっているという。

★ そんな屋敷に住む彼女だが、家族には恵まれなかったようだ。夫の浮気が原因で、20年前に離婚。幼い子どもを育て上げたが、その子が事故で急死してしまう。

★ そんな彼女の屋敷を一人の青年が訪れる。一夜で良いから下宿させてほしいというのだ。

★ そのあといろいろあって、彼女は新たな歩みを始める決心がついたようだ。

★ 彼女が桜を見上げてもらした一言。「ああ、これなのか」。それが何なのかを考えながら、桜花の艶めかしさを想像してみた。
コメント

映画「暗殺」

2020-04-22 16:02:55 | Weblog
★ 映画「暗殺」(2015年)を観た。

★ 1930年代、日本統治下の韓国が舞台。韓国の独立を目指す人々が、総督府の要人や日本に追従する親日派を暗殺するという話。韓国映画だけあって、日本政府(日本軍)は悪者扱いだが、それはさておいて、アクション映画として面白かった。

★ 独立軍の狙撃手役はチョン・ジヒョンさん。「猟奇的な彼女」のヒロインだ。

★ カネで暗殺を請け負う「ハワイ・ピストル」という男。彼を「若旦那」と呼ぶ「爺や」役が個性的で面白い。

★ 独立軍に与する「速射砲」という男、「爆弾職人」という男。この二人のコミカルなやり取りも良い感じだ。

★ シリアスな内容だが、暗くないところが良い。韓国の俳優が日本人役を演じているので、彼らの日本語がちょっと気になるが、仕方のないことか。後半ちょっと出てきた電話交換手の日本語はきれいだった。日本の役者の声だろうか。

★ 裏切りあり策略あり、フィクションならではのドンパチありで楽しめた。
コメント