じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

中山七里「ドクター・デスの遺産」

2020-12-26 20:44:57 | Weblog
★ 中山七里さんの「ドクター・デスの遺産」(角川文庫)を読んだ。安楽死をテーマとした作品だった。

★ 物語は少年の110番通報から始まる。悪い医者が父親を殺したというのだ。父親は末期の肺がんで自宅で療養していたが、ある医師が往診した後、急変して死に至ったという。死因は心不全ということだったが。

★ 最初は少年の悪戯と思えた案件だったが、犬養刑事、高千穂刑事は調べるうちに、同様の不審死が連続していることに気付く。そしてあるサイトにたどり着く。

★ 末期患者を安楽死させる「ドクター・デス」の正体は。そして意外な結末が。

★ 安楽死(生きる権利と同様に死ぬ権利があるのでは)の是非。その結論は犬養刑事と共に読者に委ねられている。

☆ 手塚治虫さんの「ブラックジャック」を読んだ時、ドクター・キリコの主張に考えさせられた記憶がある。あれから数十年の歳月を経た。私自身については苦痛なき最期を迎えたいが、死生観は人それぞれということか。死生観と法律が必ずしも一致していないところが悩ましいところだ。(安易に安楽死を選ぶのも問題が多そうだし、まして本人の意思が確認できず周りの者にその決断が委ねられたときはなお一層難しい)
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