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山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

TPPについて(22)-関税の細目が公表されておりますが

2015-10-21 | 農業
 政府から公表された、関税の細目を受けて様々な主張がなされております。農家への影響もほとんどないといったものから、大打撃を受けるといったものまで百家争鳴といった様相を呈しております。

 政府は守るべきものは守ると言ってきました。そのことはある面では盛り込めたのではないかとは思います。確かに、形式的には守られたかに見えますが、現実に守られるかどうかは全くもって不明です。というのは静的に見ればその通りとなるかも知れません。しかし、世の中は決められた関税率を見て経済活動の方向性を変えてくるようにもっと動的なものです。ルールの中で最大利益を上げるように経済活動は動いていくことでしょう。
 例えば、コメが輸出できないなら、コメを原材料とした加工食品にシフトしてくるかも知れません。日本人のコメの消費量は年々減少しております。そもそもご飯を食べる量が減少したこともあるでしょうし、簡便なパンやシリアルなどにとって代わられていることもあるでしょう。
 自らご飯を炊いて食事をするより、より加工食品に頼るようになることでしょう。となれば、コメそのものの関税云々より、加工食品の関税の方が効き目があるということになります。

 このように、将来どのようになるかは株価を予測するようなものであって、現時点であれこれ言っても意味がありません。政府が現時点で、交渉結果を自慢するのは早計であると言わざるを得ません。

 評論家が当たりもしない主張をするのは勝手ですが、それによって右往左往(政治家を含む)する者が現れます。現場はそれによって大混乱をきたすことが往々にしてあります。自分が安全圏にいるからこそ、勝手なことが言えるし、その結果責任を問われることはありません。
 しかし、TPPに関しては生活に直結するものです。いつまで評論家様も安全圏に身を置いていられることやら。

 関税の細目だけでも、これだけの議論が巻き起こるのですから、その他の内容が公表されたら蜂の巣を突いたようになるのではないでしょうか。