山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

TPPについて(21)-交渉妥結間近のようですが

2015-10-03 | 農業
 報道によりますとTPP交渉の妥結が間近に迫っているようです。今朝がたの報道番組でも取り上げられておりました。大方のコメンテーターもTPP交渉の妥結を歓迎するコメントをしておられました。消費者目線で見れば海外から安いものが入ってくることは歓迎されることといった趣旨の発言が多かったようです。

 その中で、国内産業に与える影響についての言及があり、特に農業に関して今まで多額の補助金が交付されたのにも関わらず農業は衰退してきた。今後は保護の在り方を検討し、強い農業にすることに対する政策が必要となるとの趣旨の発言がありました。

 このことに関しては「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」その他の記事でも取り上げておりますように、大いなる勘違いであると思っております。

 農業が衰退した原因として農業保護政策、取り分け補助金がクローズアップされております。確かにそういった側面が無いとは言えません。しかし、保護されているのは何も農業だけに限りません。他の産業だって多くの保護政策が行われておりますし、毎年多額の補助金も交付されております。そして、そうした産業の中にもこれらを活用して興隆していくものもありますし、衰退していくものもあります。
 同じ斜陽産業であっても、その様相は企業によって異なります。ですから農業と言っても一括りに議論はできません。専業農家、兼業農家、大規模農家、中小零細農家などの様々な経営形態があります。また、地域や気候風土など多くの要因があります。これらのことを一番知っているのは、その地で農業を行っている農業者に他なりません。全国一律の政策、それも現場のことを殆ど知らない、それこそ机上で練られた政策で以て縛ろうとすることがそもそもの間違いなのです。このことの反省無しには、どのような政策を実行しようとも農業の衰退は止められません。その最大の犠牲者は消費者であることを指摘しておきます。

 何度も書きますが、「経営規模拡大」、「攻めの農業」、「集約化農業」、「趣味の農業」などなど多様性の高い農業のあり方を認め、互いの特色でもって相互補完することができてこそ足腰の強い農業となるものと考えます。