佐賀弁で、たいそう疲れた時に「ほねやみした」と言います。おそらく「骨病み」からきているのだと思います。用例として「ほねやみすっけん。ちかっと(少し)休まんね。」とか「きゅー(今日)は、がまだし(頑張り)過ぎたけん、ほねやみすっかん(するかも)知れん。」とか言ったりしております。
筑後弁に似たような言葉に「ほにょる」というものがあります。これは「骨折る」からきていると思います。「ほにょる」は、もっと広い意味に使われております。例えば、重いものを持った時など「こりゃ、ほにょるっばい。」と言うように「大変だ」みたいにも使います。主に肉体的苦痛に対して使われているようです。精神的苦痛も含む言い方として「じゅつなか」といった言い方もあります。
これは、佐賀弁・筑後弁共通だと思いますが、「きつか」、「やおなか」、「ざっとなか」とかも使ったりします。「やおなか」は、「あの子は、とびぬくっごと(飛び抜けるように)はしりぐっちょ(走り比べ)の速かけん、やおなかねー。」とか、良い意味で尋常ではないことを意味することもあります。「やおなか」とは、軟でない⇒難いといったことであると思います。
このように方言では、疲れただけでもニュアンスの違いによって使われる言葉が微妙に異なります。これが良いところでもあるし、異文化を受入れ難くしている要因であるのかも知れません。しかし、色々と表現の言葉が豊富なことは、細やかなコミュニケーションにも繋がることにもなり、ギスギスとした人間関係とならないような役割を担っているのではないでしょうか。