今年一年間は上関町長島の先端に位置する田の浦海岸のスナビキソウ群を調査してみようと考えています。知人の案内で今年の5月にこの海岸に初めてアサギマダラを見に来てここがとても素晴らしい環境であることにほれ込みました。私の住む周防大島の近くで唯一スナビキソウの群落のあるところなのでスナビキソウの生態を知るために少なくとも一月に一回は調査に行ってみたいと思っています。今日は海の好きな友人を誘って行ったので十分な調査ができました。今日の目的の一つに右側の岬を一つ回った所に開けた海岸があるのでそこを調べてみようと考えていました。海岸沿いに岬を回るには干潮時でないと通ることができません。そこで潮位表をよく調べて今日の9時ごろと決めて来たのです。岩場を歩き途中少し潮にもつかりましたが岬を回って隣の浜の着いたのですが期待したような砂浜は無くてすべて石ころの海岸でした。そしてスナビキソウはありませんでした。海岸性の植物に付いて調べてみましたが変わったものはありませんでした。来月には左側の岬を回ってみたいと思っています。
原発建設予定地の海岸に帰ってスナビキソウの調査をしました。ここへ来るのは5月と6月とで3度目ですが毎度スナビキソウの様子は変わっています。5月に来た時にはスナビキソウはよく茂り花が満開からやや過ぎたころだったのでアサギマダラが乱舞していました。次に6月の初めに来た時にもアサギマダラの数はだいぶ少なくなっていましたがまだ飛んでいました。今回はスナビキソウの花が少し咲いてはいるもののアサギマダラの姿は全くありませんでした。警備員さんの話では最近はもう全くいませんよとのことでした。アサギマダラにとって海岸はもう暑すぎるのでしょう。今回はスナビキソウの花が終わって種ができているのを期待してきたのですが、5月にあんなにたくさんの花が咲いていたのに実の入った種は全くありませんでした。5月に大きな株で花をつけていたような株はほとんど枯れていました。地上部が枯れても地下茎は残るようで枯れた所からは新しい株ができていて中には再度花を咲かせている株もあります。春以来スナビキソウの地上部は成長しては枯れることを繰り返しているようですが種はできないのでしょうか。これから秋までにどのように変わって行くのか楽しみです。種による繁殖ができないのであれば他の海岸への移動は難しいことになります。
今日はこの海岸のスナビキソウの調査と近くの皇座山の山頂部の植物調査をする予定できています。欲張って海と山の二か所を楽しみました。山の部は次に報告させていただきます。
今日の音楽 (らんらんさんより)
「hard times come again no more」 James Taylor
cello:YoYoMa
この美しい上関の海岸をつぶして何千億・何兆円の金をかけてパンドラの箱を作るよりもっとほかにお金の使い道はあるでしょうに。
上関町長島の田の浦海岸の植物
3枚の写真は田の浦海岸の全景です。沖に見えるのは祝い島で真ん前に集落が見えます。今日は右側の磯伝いに行って岬を回ります。
陸地部が原発建設予定地です。自然の景色に不似合いな桟橋が作られています。
隣の浜にやって来ました。期待した砂浜は無くて石がらの海岸です。
スナビキソウはありませんでした。
元の海岸に帰ります。
子供の頃はこんなタイドプールでよく遊びました。
海岸の植物
ここからは本日の目的のスナビキソウです。
5月に生えていた地上部は一度枯れて新しく生えなおしています。花も二度目が祖いていました。
花弁が落ちたばかりですが種はできるのでしょうか?
砂浜の左側に群落があります。
この辺りは5月にはよく茂っていたところです。
海の方に向かって新芽が出始めています。
陸地部との境では古い株も残っていました。
最近咲いた花の跡ですが種はできるのでしょうか。
新しく再生が始まっています。
秋になるとここにアサギマダラは帰ってくるのでしょうか。楽しみです。
田の浦海岸を後にしました。
途中の山の中です。クヌギに似たアベマキが多いようでした。
ここへ調査に来るのは大変なのです。ここら一帯は中国電力の取得用地ですので入るのに警備員さんに許可を得なければなりません。正当な目的を話せば許可してくれますが毎度大変です。でも警備員さんたちは皆いい人で普段の蝶の情報なども教えてくれます。来月はお盆過ぎに来ようと思っています。
cello:YoYoMa
https://www.youtube.com/watch?v=Mu2Po1ODH68