大島も今は寒いです
霜柱です。さくさくと踏みしめて沢への道を登って行きました。
アサギマダラの幼虫の越冬の様子を紹介します。元日の朝と2日の朝に山の中の キジョランの群生地へ行ってきました。普段は玄関わきに植えてあるキジョランとレモン畑に植えてあるキジョランについているアサギマダラの幼虫の観察で済ませているのですが、時には本当の自然の中で冬越ししているアサギマダラを見て来てその状態を比較してみなければなりません。そのついでにキジョランの種を拾ってきました。例年ですと10粒から20粒くらいしか拾ってこないのですが今年は100粒くらい拾ってきましたので欲しい人には差し上げます。キジョランの種は発芽率はよくて8割から9割くらい発芽し、順調に育つと1年で30㎝くらいの苗木になります。2年目には葉も8枚から10枚くらいになるのでアサギマダラの飼育ができます。
庭やレモン畑のキジョランについている幼虫と山の中のキジョランについている幼虫を比較すると山の中の幼虫の方がかなり小さいことが分かりました。私の家は海岸に近くて標高15mくらいですしレモン畑の標高も100mあるかないかです。山の中のキジョランの群生地は標高400mくらいの所にあってしかも谷あいですから温度はかなり低く家の周りとは違うと思います。家の庭のアサギマダラは4匹いますがすべて4齢です。暖かい日にはよく餌を食べています。レモン畑の幼虫は2齢から終齢幼虫までいて蛹までいます。山のキジョランで見た幼虫は全て2齢でした。ただ山のキジョランは樹高が高くて観察できない部分が多いのでもっと大きい幼虫もいるかもしれません。
このブログにキジョランのことで検索がよくやって来ます。良い機会なので今日はキジョランの群生地の様子も紹介したいと思います。山の中でキジョランはどんなところに生えているのかよく見てください。そしてキジョランの株を手に入れたい人は種を拾ってきて播いて育ててみてください。山の中の株を掘り取るのはよくないと思います。キジョランは多くの種を風に載せて広くまき散らしますが自然の中で育つのはほんのわずかです。種を拾ってきて育てるのが一番自然を痛めないで済むことだと思います。
レモン畑のキジョランで育っているアサギマダラの幼虫
終齢はあちこちと動き回りなかなか蛹になりません。しかし今日の動きを見ていると蛹になるための準備で葉の葉脈に糸をかけているようにも見えました。
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5. 脱皮した殻が残っています
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11. 蛹は澄んだ緑色で生きています。観察では12月の初めには蛹になっていましたのでもう一月になります。
12. これは植えて2年目の小さなキジョランについている幼虫です。10月の卵の時には4~5個あったのですが残ったのはこの1匹です。
13. 最も小さい幼虫ですが元気にえさを食べているのが穴の状態で分かります。
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1月1日にはこのレモン畑でのキジョランに14匹確認できました。ちなみに昨年の正月には27匹確認しています。
山の中のキジョランの幼虫
旧大島町の山の中です。ここには幼樹がたくさんあって観察がしやすいところです。もちろん大きな樹は高く他の木に巻き付いて登っていますので幼虫の観察はできません。
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4. 2m以上の高さにいたのでうまく写真に撮れませんでした。2匹写っていますがどちらも2齢だとおもいます。
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6. 最近死んだ2齢幼虫
秋からずっと観察しているとこのように黒くなって死ぬ小さい幼虫が結構たくさんいます。
家の庭のキジョランの幼虫
4齢ですが他の3匹もこのサイズです。12月の半ばに1匹3齢の幼虫が葉の裏で何日も動かなくなってそのまま死にました。現在残っているのが4匹見えるのですが、葉が込み合っているので他にも隠れて残っている幼虫がいるかもしれません。今年はこのキジョランも防鳥ネットで囲ってあります。昨年の秋初めて自然な状態で雌が産卵に来たのでこの幼虫は大事にしています。
別の山の幼虫
周防大島にはキジョランの群生地はたくさんあります。車で入ることのできる楽な場所に行ってきました 。この場所のキジョランはたくさんあるのですが大きな樹ばかりで地上からは観察しづらいところです。
ここでも見つかったのはすべて2齢でした。
庭のキジョランとレモン畑のキジョランには今年は防鳥ネットをかけました。これまで何年間は自然のままで観察してきましたが今年はできるだけ沢山の幼虫に越冬させてみようと思い鳥などの外敵から守っています。何もしないでおくと3月頃幼虫が大きくなってくると次々と姿を消して行ます。鳥の目に付きやすくなるのかもしれません。
効果があるでしょうか?
キジョランについて
群生地の様子 赤い矢印が樹に巻き付いて登っているキジョランを示しています。
このキジョランは比較的低いところで広がっていて赤い矢印の所に2匹いました。
谷底ですがここでも数匹確認できました。
キジョランの幼樹
このような沢沿いに生えているので長靴で登ります。
このような小さな株に付いている幼虫は見つけやすいのですが10mから20mにもなる大木に絡みついているキジョランでは幼虫を見ることができません。
キジョランの種
キジョランはアケビやムべの実に似た実をつけ12月から1月の初めごろに種を飛ばします。多くの実は見上げるような高いところについているので実が開いて種が自然に落ちてくるのを待ちます。それで毎年今頃種を拾いに行きます。
1月1日、この日は10粒くらいしか見つかりませんでした。
1月2日別の山に行きました。川の中にも沢山落ちていました。
この細長い種のついたものは似ていますがキジョランの種と違います。テイカカズラの種です。
種が地表に落ちて何日もたつと白い綿毛と種は離れてしまいます。そうなると探しにくくなります。
落ちたばかりの種
落ちて何日か経つ種 白い綿毛が付いてないと探すのは困難です。
拾ってきた種 乾燥に弱いのでできればすぐに播いた方が良いです。
山の中ではキジョランの種とテイカカズラの種は似ているので間違えないようにしてください。
キジョランの名前の由来は「鬼女が白い髪を振り乱しているようだ」ということだそうです。
キジョランのことでの問い合わせが時々ありますがお役にたちましたでしょうか。