金沢の観光スポットレポート(No.1707)
◇寺町寺院群文化財特別公開2019めぐり⑥ 妙法寺
11月23日(土・祝)~24日(日)の2日間、金沢市寺町寺院群で文化財の特別公開が開催された。
金沢市内の寺社に保管されている貴重な寺宝を公開しようという企画で、今年で3回目となる。多くの人々にご覧いただくことにより、寺宝の価値をご理解いただき、保存にご協力いただくことを目的としている。
拝観料の一部は寺宝の保護・保全に役立る。これまで紹介されたことのない新しい金沢の魅力を、県内外に発信する。
〇大蓮山 妙法寺(みょうほうじ 日蓮宗)
天正元年(1573)に圓智院妙浄法尼が開基となって、尾張、荒子に建てられました。その後、領主の移転とともに、越前府中、能登府中、金沢尾張町と移り、元和元年(1615)現在地に伽藍を構えて今日に至ります。妙法寺には石川県指定文化財「圓智院妙浄(篠原一孝夫人)画像 附紺紙金泥妙法蓮華経 漆塗経箱」が伝来しています。
妙法寺の開基である円智院妙浄法尼は、前田利家の弟・佐脇藤八郎良之の娘で、父・没後、利家とまつの養女として愛育された。
旧本山は大本山本圀寺(六条門流)、勇師法縁。石川県指定文化財の紙本著色圓智院妙浄画像を所蔵する。
住所:金沢市寺町4丁目2-6
■写真は本堂
■写真は鐘楼
■写真は仏殿
〇円智院妙浄法尼画像(複製)
前田利家の姪であり、後にまつの縁戚になる篠原出羽守一孝の室となった。長い髪に豪華な打掛を着て、上畳に座る。前には妙法蓮華経が8巻、好物の果物、後ろには鏡台、冊子台が置かれ、没年である慶長3年(1598)の書込がある。現品は昭和62年(1987)1月県指定文化財指定。
■写真は寺宝 円智院妙浄法尼画像
〇妙法寺の仏涅槃図
江戸時代初期、寛永15-20年(1638-1643に書かれた仏涅槃図縦152.2cm、横03.5cmの絹本著色の一幅です。この涅槃図は古例の手法に随って、肥痩のある線を自由にこなして描いています。中央の釈尊を金地にし、その上に墨で衣褶、顔容を味わい深い筆致で描き、釈尊を取り囲む人達の表情や彩色も整っています。昭和52年(1977)3月金沢市有形文化財指定。
■写真は寺宝 仏涅槃図
■写真は仏殿日蓮像に綿帽子(冬時期のみ)
■写真は仏殿裏
■写真は絵天井
〇妙法寺のドウダンツツジ(燈台躑躅、灯台躑躅、満天星躑躅)
妙法寺のドウダンツツジは、樹高約4.0m・葉張は東西方向に約7.15m・南北方向に約7.3m・根元周は1.55mで、金沢および石川県下において最大級のものです。樹齢は不明ですが、その大きさから妙法寺が現在地に置かれた元和元年(1615)に、庭木として植樹されたものと考えられます。
植樹にあたり、成木の状態で植えられたと推察されることから、少なくとも400年をくだらないものと思われます。平成20年(2008)3月金沢市文化財指定。
■写真はドウダンツツジ
◇寺町寺院群文化財特別公開2019めぐり⑤ 西方寺
◇寺町寺院群文化財特別公開2019めぐり④ 承証寺
◇寺町寺院群文化財特別公開2019めぐり③ 真長寺
◇寺町寺院群文化財特別公開2019めぐり② 大蓮寺
◇寺町寺院群文化財特別公開2019めぐり ① 雨宝院
(寺町寺院群文化財特別公開2019 完)