金沢冬の風物詩「雪吊りあれこれ」2015①(No.562)
◇雪吊りとは
大切な庭木を冬に積もった雪の重さで枝などが折れな
いようにする対策、方法を総称して「雪吊り」と呼び
ます。
石川県では明治初期から確立したと言われ、 冬の風
物詩として、加賀金沢を中心に石川県下はどこの家庭
でも十一月の初冬を迎える頃に作業が始まります。
北陸特有の湿った雪質は、重く、庭木の枝によく着雪
します。枝折れ、裂け、潰れるなど、雪解けの三月に
思わぬ被害に驚かされます。
◇雪吊りの種類
1)りんご吊り
松の木、槇の木をはじめ、よく枝造りが出来た比較
的大ぶりの庭木に、芯柱を添えてその先端から多く
の藁縄を張りそれぞれの枝を結わえ吊る方法で、完
成した姿が収穫前のリンゴの枝が折れないように吊
り支えた形からりんご吊りと呼ぶようになりました。
■写真は兼六園の唐崎松雪吊り(りんご吊り)
2)幹吊り
「りんご吊り」と同じく大きめの樹に施す手法です。
樹上の太めで、しっかりした枝又から複数の藁縄を
下げて、枝を結わえ吊ります。
■写真は足軽資料館の幹吊り
3)三つ叉しぼり吊り
ツツジなど中低木類を対象に三本の竹を囲うように
立て込み、上部の結束ヶ所から藁縄を吊り下げ、張
り出した数多くの小枝を吊り上げるようにわら縄で
絞ります。
■写真は足軽資料館の三つ叉しぼり吊り
(つづく)