かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

阿房宮(仮)

2024年12月24日 | 日々雑感
盛岡に住んでいた頃からですから、もう10年近く経つでしょうか。

特に何かをするためというわけではないのですが、明治書院から出版されている新釈漢文大系をなるべく時代順に読んでいて、目標は当然、全冊目を通すことです。

以前は図書館で借りて、自宅で読んでいましたが、ここ半年ほどは帰宅途中に図書館に立ち寄り、そこで1時間ほど読んでいます。

先々週から、史記を読んでいて、クリスマスイブの今日も、いつもどおり寄り道して頁をたぐっていました .

気になったところなど、標題を付けてノートに覚書を記しているのですが、本日のそれは【阿房宮(仮)】でした(笑)

阿房宮(あぼうきゅう)は言わずと知れた、秦の始皇帝が造った(というか造り始めた)宮殿(ただし本体ではない)。

その造営について伝えた記事を読んだのですが、興味深かったので(その理由は、話し出すと長くなるので結論だけ後でお話しします)、本文などをノートに書き写したのですが、こんな部分です。

「阿房宮未だ成らず。成らば、更に令名を択らびて之に名づけんと欲す。宮を阿房に作る。故に天下之を阿房宮と謂う。」
(しかし、阿房の宮殿はまだ完成しなかった。完成したら改めて良い名を択んでこれに命名しようとしたのであるが、宮殿を阿房につくったので、天下の人びとはこれを阿房宮といったのである。)

ようするに、宮殿の付属施設を作り始めたけど、完成してからいい名前をつけようと思ったけど、完成する前に、世間が宮殿が作られた地名で読んで、それが宮殿の名として定着してしまった、というものです。

つまり、阿房宮は仮の名というわけです。

で、その何が興味深かったかというと、施主が名付ける前に、世間で勝手に呼び始めた名が定着してしまったという点で、実は日本列島に仏教が伝来して、最初に作られた寺院の名前も同じようだったのではないか・・・・と考えられないかと思ったからです。

日本列島で最初に作られたお寺は飛鳥寺で、別名元興寺とも法興寺とも呼ばれますが、お寺が建てられた地域の周辺の人びとは、地名アスカのお寺と呼んでいて、それがやがて寺の名としても定着し、ただ仏教的名称もあった方がよいだろうということで、日本列島で最初に建てられた寺(仏法を興す寺)という意味で法興寺とも呼ばれたのではなかろうか・・・・などと想像しながらメモしてました。

そして、標題を【仮名としての阿房宮】とせずに、【阿房宮(仮)】としたのは、敬愛するザ・クロマニヨンズの“エルビス(仮)”から頂戴しました。

ザ・クロマニヨンズ 『エルビス(仮)』

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