かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

人が亡くなるとゆくところ~弥谷寺信仰遺跡に行って来ました

2013年02月28日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
お仏様は、いろいろな材質でできています。

昨日紹介した願興寺の聖観音像は、漆を固めたもの。

正花寺の聖観音像は、榧(かや)の木。

もちろん石でできたお仏様もあります。

そうです、岩盤を刻んで姿をあらわした磨崖仏。

今から800年ほど前の磨崖仏を見に、四国八十八箇所の第71番札所、弥谷寺(いやだにじ)まで行ってきました。

弥谷山の中腹にあるこのお寺の境内は、弥谷信仰遺跡としても知られています。

お寺の周辺では、人は死ぬと霊がこの山に留まるという弥谷信仰が篤く信じられていました(す)。

そんな場所にある磨崖仏を一目見ようと108段の階段を登ります。



まずは本堂にお参り。

そしてふり返ると・・・・



さすが霊山といった感じ。



そして磨崖仏を拝観。

先程の眺めを見たせいもありますが、やはり他の札所よりも霊場らしい雰囲気が濃厚です。

磨崖仏は風化が進んできたため、庇が設けられています。



雰囲気をそこなっていますが、kaneurikichiji が生まれた歳の写真(→ここを見るとここ40年でかなり風化が進んだことが分かり、仕方ないのかなと思います。

岩肌に彫り込まれているのはお仏様だけではありません。



五輪塔や・・・・



南無阿弥陀仏という文字も見られます。


霧雨だったということもありますが、霊場の雰囲気をたっぷり感じることができました。


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香川で見た聖観音像

2013年02月27日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
昨日、今は東京国立博物館に保管されていますが、もとは香川に伝来していた観音菩薩立像を紹介しました。

でも、やっぱりお仏様は博物館で見るより、お寺で見る方がいいです、断然に。

しかも、お守りしている方のお話を伺いながら拝観するとなおよいです。

実は、先月香川に行った時、お寺でご住職のお話を伺いながら二体のお仏様を拝ませていただきました。

しかも、どちらも聖観音像です。

ひとつは願興寺(がんこうじ)、もうひとつは正花寺(しょうけじ)

最初に訪れたのは願興寺。


『日本の美術』No.456 より

この像は、(興福寺の阿修羅像と同じ)脱活乾漆造(だつかつかんしつぞう)という技法で作られたもの。

この技法で作られた仏像は都があった奈良や京都には多く伝来していますが、それ以外の地域ではごく珍しく、今のところ知られているのはこの像を含め四体のみ。

しかも、ご住職のお話ですと廃仏毀釈に遭って願興寺にお出でになったといいますから、もしかすると今に伝わらなかった可能性があります。

お話を伺いながら「運命って微妙なものだなぁ」としみじみ思いました。

次は正花寺。


『日本の美術』No.456 より

唐招提寺の衆宝王菩薩立像によく似ているこの像、実は世に知られたのは、第二次世界大戦後。

その「発見」は、関係者を驚かせたそうです。

この像と唐招提寺の像はよく並べて展覧会に出展されるそうですが、ご住職によれば、その時伝衆宝王菩薩立像はこんな言葉を聖観音像にかけているそうです。

 「久しぶりでんな。あちこち、よう出張してはるようでんな。ウチは他にいろいろいいお方がおますので、なかなか注目されずに寂しいわ。」

こんな事を伺いながらお仏様を拝むと、本当に心が和み、そして落ち着きます。


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意外とマイナー?

2013年02月26日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
何度かここで紹介したことがあるように、東京国立博物館の展示は写真を撮影することが可能です。
 ※ただし、不可のものもあり、フラッシュ撮影は当然、ダメです

昨日、釜石大観音を紹介した後、東京国立博物館でどんな仏像を撮影しているのか、改めて見直しました。

観音菩薩は地蔵菩薩と並んで人々に親しまれているので、けっこう展示されているのかと思いきや・・・


10~11世紀に作られたようです。長者ヶ原廃寺跡のころのお仏さまです。

香川県の丹生脇屋庵に伝来したこの作品しかありませんでした。

撮影できないものもあるので、一概にいえませんが、意外です。

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天気がいいので海を見に行く~釜石編~

2013年02月25日 | 旧ブログ記事(その他)
ご飯を食べたり買い物したりしましたが、まだ時間があったので帰り道は釜石大観音に立ち寄りました。



胎内のらせん階段を昇り、観音様が抱く魚の所まで行くと・・・



釜石湾が一望できます。

ここに来るまで知らなかったのですが、最初に日本人によって作られた海図は、1872年の「陸中国釜石港之図」なんだそうです。

釜石港が選ばれたのは、東京と函館の中間補給地点で、官営製鉄所が建設される予定だったためだとか。

そうした重要地点だからでしょうか、釜石は第2次世界大戦末期にはアメリカ軍による艦砲射撃を受けています。

釜石駅近くの鈴子広場にはこんなモニュメントがあり、そばにある石碑にはこんな文章が刻まれています。


2011年7月11日撮影

 『あすに向かって
  我々釜石市民は、幾多の困難を不屈の意志を持って乗り越えてきた。
  先人たちが築いてきた歴史の継承と、次世代のたゆまざる発展を願い、
  その思いを天空に舞い上がる鳥の姿に託し、市制施行六十周年を記念し
  造形作家岩間正男氏により、制作され建立したものである。
                               平成9年9月 釜石市』


この碑文の通りになってほしいと心から願っています。

桜の季節に大槌と一緒に釜石にまた来ます。

地酒の浜千鳥は刺身によく合いますし、釜石ラスクのほたて味はビールにぴったりだから。


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天気がいいので海を見に行く~大槌編~

2013年02月24日 | 旧ブログ記事(その他)
今世紀に入ってまだ十年ちょっとしかたってないので、「今世紀最強級の寒波」といわれてもピンときません。

それはともかく、今日の岩手はこの時期にしては寒いし、降った雪の量も多め。

ですが、昨日は快晴でよいお天気でした。

前日、ジャズマンの小曽根真さんのインタビューで、大槌町で正午の防災無線から流される“ひょっこりひょうたん島”は、今では彼のピアノであることを初めて知りました。

ですので、ひょうたん島のモデルの蓬莱島を見に行くのもいいなぁと思い、あまり計画も立てずに出かけました。

まずは、ツイッターで知った、お店で買い物。


一頁堂書店。さすが大槌、井上ひさしさんの本がたくさんありました。思わず『ふかいことをおもしろく』を購入。


三浦精肉店ではメンチカツサンドを。

続いて、どんりゅう庵では“ひょうたん島カレー”をいただきました。



すぐそばにある、トツゼンコッペパンファクトリー大槌でパンを買い、



蓬莱島を見に・・・・

 

写真だとアップで取られることが多いため、大きな島と思われがちですが、ちっちゃなかわいい島です。

よくあの大津波に耐えたなぁと感慨に耽ってしばらく眺めてました。

でも、今でも耐え続けている人たちは、たくさんいるのではないでしょうか。



津波が押し寄せた旧役場です(保存か否かを議論しているようです)。



どんりゅう庵のお店の前は建物の土台が残ったまま・・・。


手前は防潮堤。高さはその手前に写っている標識と比べて下さい。

がれきもまだまだ残されています。

あの日起きた出来事を思い出させる、こうした風景を大槌に住む人たちは、これからしばらく毎日見なくてはならないのです。

大槌だけでなく、2011年3月11日に大津波が襲った太平洋沿岸の街は、程度の差はあるかもしれませんが、大槌の街のような感じなのだと思います。

東日本大震災はまだまだ続いていると改めて思いました。

このことは忘れずにずっと覚えていようと思います。

また桜の季節に来ます。

12時に3分ほど遅れて大槌に着いたので、小曽根さんの“ひょっこりひょうたん島”を聴けなかったので。

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