観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

ハクセキレイの狩り

2018-06-16 16:45:31 | 夏の藤前干潟

藤前干潟

今日の満潮時間 7時03分 潮位245cm

今日の干潮時間13時50分 潮位  9cm

梅雨の中休みの今日は、じめじめすること無く、日陰に入るとすごし易い日でした。

お昼から、ポケモンGOのイベントがあったようで久しぶりに多くのプレーヤーを稲永公園で見かけました。

野鳥の方は、せっかく大きく干潟が広がったのに鳥の姿を少なく寂しく感じます。

今年に限らず、毎年6・7月は藤前干潟では鳥が一番少なくなる季節です。

この時期の野鳥は藤前干潟周辺で繁殖する鳥たちが主役になります。

ササゴイは近頃では当たり前の夏鳥になってしまいましたが、1987年に県内で初めて繁殖が確認されました。

それはここ稲永公園の、現在の野鳥観察館東側の松林でのことでした。

近年は市内各所で繁殖が確認され、いたるところで観る機会が増えました。

今日の観察館前では3羽のササゴイが確認でき、ボラの稚魚を上手に捕えていました。

 

ササゴイの近くで餌を探すのはハクセキレイです。

水際を逃げる魚の姿が写真左側に見えます↑。

ハクセキレイが水面まで飛んで、ちゃぽんと水にくちばしを付けて干潟に降りたと思ったら、なんとその魚を捕えていました。

ウナギのような長い体形の魚で、調べてみるとヒモハゼ?のようです。

ヒモハゼは環境省・愛知県共にレッドデータ絶滅危惧Ⅱ類(VU)に登録されている希少なハゼ科の仲間です。

ドジョウにも良く似た体形で、藤前干潟では夏場に干潟の潮だまりで時々観察されています。

ハクセイキレイは、何度も魚を咥え直し、干潟に叩き付け弱らせてから飛んでいきました。幼鳥がどこかで待っているのでしょう。

現在では年間を通して普通に観察できるハクセキレイですが、以前は夏場には観察できず、冬鳥として認識されていました。

1981年に愛知県内では初めて、稲永公園近くで繁殖が確認され、その後数年で県内いたるところで繁殖が確認されるようになりました。

以前は普通に見ることが出来ていた鳥たちの観察機会が少なくなってきている中、ササゴイとハクセキレイは近年増えてきた野鳥です。

 

また、稲永公園の草むらではカナヘビの交尾を見ることが出来ました。

交尾の最中は人が近づいてもじっとしており逃げることはありません。ネコやカラスに捕食される危険な時間です。

カナヘビの♂(右側)は♀の腹部を咬んで体を固定し、体を曲げて総排出腔(直腸・排尿口・生殖口を兼ねる器官)を合わせて交尾していました。

 

 

今日観察できた主な野鳥 カワウ411、ササゴイ3、ダイサギ13、コサギ2、アオサギ17、マガモ13、カルガモ20、ホシハジロ2、スズガモ3、ミサゴ1、ハヤブサ1、チュウシャクシギ1、セグロカモメ1、ウミネコ10

明日の満潮時間 7時49分 潮位236cm

明日の干潮時間14時37分 潮位 22cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする