落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

「菅おろし」

2011年04月21日 | 原発
仙谷、菅、小沢一郎、土肥隆一、ルーピー鳩山等々売国民主党は右から左まで様々な烏合の衆で成り立っている。自民党も同じようなものだが、まだマシといったところか。
中にはまともな党員もいるらしく「(菅は)人としてどうか」とまで人格批判するのがようやく現れた。
桜井財務副大臣が首相退陣論を正当化 「菅降ろし」が加速 2011.4.20 23:35
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110420/plc11042023350029-n1.htm

 内閣の一員である民主党の桜井充財務副大臣が自らのメールマガジンで公然と菅直人首相の退陣を是認した問題は、「菅降ろし」が小沢一郎元代表のグループにとどまらず中間派にも拡大したことを意味する。桜井氏は20日も批判を展開したが、首相は部下の反乱への対応を野田佳彦財務相に“丸投げ”した。首相の求心力低下は止まりそうもない。(坂井広志)
 「首相は野党の意見を聞く姿勢を示してほしい。(野党が)辞めろと言いたくなるのも当然だ。要するに人としてどうかだ
 19日配信のメルマガで首相を批判した桜井氏は20日も記者団に首相への不信感をあらわにした。桜井氏は被災地の宮城県選出ということもあり、首相への不満を募らせている。
 18日の参院予算委員会で、複雑化した政府の指揮系統を批判した自民党の脇雅史参院国対委員長の質問について「感動した」と絶賛。心療内科の医師らしく「首相は過剰に反応し、自分の考え方でねじ伏せようとするところがある」と精神分析を披露してみせた。
 「首相は辞めるべきか」と質問されると「来週の国会でどう答弁するか見させてもらう」と言い放った。
 桜井氏の発言に民主党幹部も理解を示した。羽田雄一郎参院国対委員長は20日の記者会見で「いろいろな本部があり、どこが最終的に取りまとめをしているのか分かりにくいとの話は党内にもある」と述べた。
 政権内部からの批判に対し、枝野幸男官房長官は20日の記者会見で「直接の上司である野田氏がしっかりと調査し、しかるべき対応をすると思う」と述べるにとどまった。
 一方、小沢氏に近く、民主党会派離脱を表明した議員16人のグループは20日、都内で会合を開いた。
 「来週あたりに何か動きがあるかもしれない」
 筆頭格の渡辺浩一郎衆院議員は会合後、こう予言した。小沢グループ内では小沢氏が発信したとされる「ゴールデンウイーク前に動きがある」とのメッセージが広がっている。24日の統一地方選後半戦での敗北を見越し、両院議員総会で首相(民主党代表)を退陣に追い込むシナリオも浮上しているが、会合では「内閣不信任案で一気に決着をつけるべきだ」との強硬意見も出た。
 首相批判を強めるのは小沢グループだけではない。民主党が19日に開いた部門会議では、ガソリン価格の高騰時に揮発油税を引き下げる「トリガー条項」の一時凍結を閣議決定したことへの抗議が相次いだ。
 「ガソリン価格がどんどん上がったら被災者にどう申し開きするのか。あんたら血も涙もないのか」
 旧民社系の吉田治衆院災害対策特別委員長は、五十嵐文彦財務副大臣らに罵声を浴びせた。約10人の議員がこれに同調した。
 トリガー条項は、マニフェスト(政権公約)で揮発油税などの暫定税率の廃止を掲げた民主党の象徴的な政策。被災者向けの税の減免措置にどさくさ紛れで潜り込ませた「姑息(こそく)なやり方」(中堅)に党内では怒りが噴出しており、「菅降ろし」の引き金(トリガー)となる可能性がある。

大震災の政府対応は「あんた、あほとちゃう」 櫻井よしこ氏、正論大賞受賞記念大阪講演要旨 2011.3.31 21:33
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110331/plc11033121370037-n1.htm
(一部引用)
・・・
 思い余って官邸に電話したら、官僚の一人が「忙しすぎて開けない」と答えた。ここは大阪だから関西流でいえば「あんた、あほとちゃう」だ。こんな体たらくがあるだろうか。
 一方で菅首相は、原発の専門家を次々と内閣参与に取り立てている。多くの意見や提案の中で対応を決めかね、後手後手に回っていることが心配だ。・・・


原発・官僚が作る安全基準

2011年04月21日 | 原発
マニフェストで政治主導と云いながら官僚に頼らざるを得なかった未熟な民主党政権、自民党とて同じようなもの。
【正論】作家・堺屋太一 官が定めた安全基準の落とし穴 2011.4.20 03:32
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110420/plc11042003330005-n1.htm

≪官の虜となった民主に鉄槌≫

 4月10日に行われた統一地方選で、与党の民主党が惨敗した。知事選では、独自の公認・推薦候補を1人も当選させられなかった。府県会議員選挙では、自民党と並ぶ「1000人規模の当選者」を目指すと豪語していたが、結果は346議席。選挙前より11人の微増にとどまった。

 これに対し、大阪府の橋下徹知事が提唱する大阪府市合併の「大阪都構想」を推進する「大阪維新の会」は、大阪府議選で過半数を獲得、大阪市議選や堺市議選でも第一党になった。日本国民は民主党を嫌い、変革を求めている。

 21世紀に入ってからの国政選挙を振り返ると、与党が勝利したのは、2005年の衆議院選挙における小泉自民党だけだ。この時、小泉純一郎・自民党総裁は改革を唱えて実行もした。官僚たちが嫌がった郵政や高速道路公団を改革し、財務官僚の望んだ消費税の引き上げを拒んだ。

 ところが、小泉氏が引退したあと、07年の参議院選挙では自民党は後退、09年の衆議院選挙では歴史的な惨敗を喫した。安倍晋三、福田康夫、麻生太郎と総理総裁が代わる間に、自民党は改革の気概を失い、官僚言いなりの無気力政党になっていたからである。

 これに対して、民主党は、「予算の無駄遣いをなくすことで7兆円の財源を搾り出せる」と豪語、子ども手当や高速道路の無料化、農家への戸別所得補償などの新政策を打ち出した。国民は半信半疑ながら、何がしか新しいことをしてくれると期待した。その結果が09年の衆議院選挙での308議席である。

 しかし、国民は裏切られた。民主党政権は、たちまち官僚の虜(とりこ)となり、天下りや現職出向を盛大にやり、各大臣は官製原稿を喃々(なんなん)と読むばかりだ。予算仕分けをテレビ中継で見せたが、筋書きは財務省の制作だから既成予算を7000億円ほどしか削り込めなかった。これでは自民党時代の見直しと大差がない。


 ≪官主導脱せぬ自民も復活せず≫

 「公務員給与総額を2割削る」などは全くの虚言だった。そのうえ、外交防衛分野では、沖縄の基地問題でも、尖閣諸島や北方領土の問題でも、無知と情報不足を露呈した。

 結局、民主党政権は、官僚任せしかできないことが判明したのである。

 その結果、民主党は、10年以降のほとんどの選挙で負け続けている。10年7月の参議院選挙では、選挙前の54議席に対して当選は44議席だ。同年10月の北海道の衆議院補選でも敗れたし、和歌山の知事選や福岡、金沢の市長選でも負けた。今年に入ってからの愛知県や名古屋市の地方選挙でも惨敗続きである。

 それでは、自民党が大いに復活しているかといえば、必ずしもそうではない。41府県会議員の選挙で自民党が獲得した議席は1119、民主党の3倍とはいえ、前回当選数1140を下回った。議席を大幅に伸ばしたのは、前述の「大阪維新の会」や愛知の「減税日本」、それに公務員改革を提唱する「みんなの党」である。

 小泉政権以来の選挙の流れから読み取れる国民の発するシグナルははっきりしている。改革、特に官僚主導からの脱却である。

 福島第1原発の事故が収まらない。実は、ここにも官僚主義の欠陥が見える。

 ≪復興にこそ「民の声」生かそう≫

 私はかねて、原発の必要性を認めながらも、日本のやり方を批判してきた。日本の考え方は基準主義、官僚が定めた安全基準を満たせば、「事故はあり得ない」とするものだ。日本やロシアはこの考えに立っている。

 アメリカやフランスは確率主義だ。ここまでの安全対策を採れば事故の可能性は1億分の1か10億分の1になる。だが、ゼロでない限り、非常時対策は要る、とするものだ。

 日本の発想は「官僚の無謬性(官僚は間違わない)」という前提に立っている。このことは原発に限ったことではない。建築や道路も同じである。

 「日本の道路は国の基準に適(かな)って造ってあるから絶対に安全だ」といわれたが、阪神・淡路大震災では高架道路が横転した。

 今もほとんどの地域で行われている義務教育の通学区規制もそれだ。官僚が定めた基準で校舎を造り、教科書を定め、国家試験に合格した教師が教えるのだから学校格差はないはず、「官僚が定めた学校に行け」というのである。

 外国に比べて寄付の税制控除が制限されているのもそれ。世のためを思うのならまず納税をしろ。公共のために一番上手にお金を使うのは官僚だからまず税金を払え、となる。

 21世紀に入ってからの数々の選挙で国民が叫び続けてきたのは、「官僚には任せられない」「官僚主導の政治を脱却してくれ」という叫びである。

 大震災、大津波、原発事故の三重災害からの復興にこそ、民の声を生かそうではないか。(さかいや たいち)

■【櫻井よしこ 菅首相に申す】政権による政治的人災 2011.4.13 03:24
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110413/plc11041303240000-n1.htm
(一部引用)
・・・
菅首相のこのひと月間の言動は、このままでは首相には恐らく未来永劫(えいごう)、国民の期待に応えることはできないと思わせる。首相は野心満々の個人ではあっても、国家を動かす「知」を欠いているからだ。日本の近代国家建設に貢献した伊藤博文は「国に組織ありて而して後国始めて始動す」と書いた。国の組織は即(すなわ)ち制度である。「制度とは国に生命を与え、これを動かすもの」である(『伊藤博文-知の政治家』瀧井一博、中公新書)。

 たしかに首相は大災害発生以降19もの新たな会議を作った。多すぎるが、それが日本国の制度の土台とつながっていれば、それなりに機能するのかもしれない。しかし、首相は自らの友人、知人を中心に組織を作り、日本最大のシンクタンクであり、国家制度の中核をなす官僚組織を組み込むことができないでいる。結果、首相の考えも指示も思いつきの次元にとどまり折角(せっかく)の新組織が機能しないのだ。・・・


菅政権のシナ優遇

2011年04月20日 | 政治・外交
今回の大震災で、世界各国の支援を受けた。
菅政権は支援に感謝する首相特使をシナのみに派遣した。
尖閣事件でも仙菅内閣は、シナ人船長を不起訴にして早々に帰国させた。
相変わらずの屈中姿勢。
菅マヌケ震災でも中国優遇…支援の裏で“スパイ”活動も 2011.04.19
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110419/plt1104191149000-n1.htm

 昨年9月、沖縄・尖閣沖で起きた中国漁船衝突事件で、那覇検察審査会は18日、公務執行妨害容疑で逮捕され、那覇地検が起訴猶予処分(不起訴)とした中国人船長を起訴相当とする議決を下した。菅直人政権の「中国優遇」ぶりが取り沙汰された事件だが、東日本大震災でも、菅政権の中国“特別扱い”は問題視されている。
 「外交関係のけじめをつけるためにも(起訴相当)を議決した」
 検審は議決書にこう付言した。菅政権の外交姿勢への批判が感じられるが、菅首相に反省はなさそう。震災への支援に感謝するため、中国にだけ首相特使を派遣したのだ。

 特使を務めたのは笹森清内閣特別顧問。今月10日に訪中し、11日に北京で戴秉国国務委員と会談。胡錦濤国家主席あての首相親書を渡すとともに、中国政府の支援に謝意を伝えたという。12日には、菅首相自身が中国の温家宝首相に電話し、感謝を述べている。

 今回の震災で、中国は3月13日にレスキュー隊員15人を派遣。ガソリン1万トンやディーゼル油、テント、毛布などの支援物資を提供してくれた。日本人としては素直に感謝したいが、こうした支援をしてくれたのは中国だけではない。

 外務省によると、諸外国・地域・国際機関からの救助チーム・専門家チームの受け入れは23。諸外国などからの物資支援は37にのぼる。特に、同盟国である米国は地震直後に空母「ロナルド・レーガン」などを被災地沿岸に急行。「トモダチ作戦」と名付け、大規模な支援作戦を展開した。菅首相は3月30日、オバマ大統領に電話で感謝を伝え、今月17日に来日したクリントン国務長官にも謝意を述べたが、特使を派遣した記録はない。
 その一方で、菅政権は震災直後、世界各国から緊急救助隊が駆け付けるなか、中国と韓国の救助隊だけを外務副大臣が空港で出迎えている。自民党閣僚経験者は「民主党の『親中疎米』という本音がよく分かる」とあきれる。

 ただ、中国は支援の裏で、したたかな動きも見せている。公安関係者は次のように語る。
 「中国のレスキュー隊員15人は、岩手県大船渡市で活動した。救援活動も一生懸命やってくれたようだが、被災地の様子や自衛隊の活動状況などをカメラで数多く撮影していた。警察関係者の中には『まるで諜報活動だ』ともらす者もいた」

 自衛隊が10万人規模の部隊を被災地に投入していた3月26日午後には、南西諸島西側の東シナ海の日中中間線付近で、中国の海洋調査船搭載ヘリコプター「Z9」が、警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に急接近するという“事件”もあった。

 外交安保が専門の日本政策研究センターの濱口和久研究員は「世界各国の支援を受けながら、1カ国にだけ首相特使を送るのはおかしい。特に、米国は内心おもしろくないはず。民主党外交には『中国に接近して米国を牽制する』というフシがある。中国はそんな民主党を試すように挑発している。民主党のこうした外交姿勢には、国民も不信感を持つのではないか」と語っている。


福島を廃墟にしない(2)

2011年04月19日 | 原発
東京電力は17日、福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた「行程表」を公表した。
原発安定に6~9ヶ月要するものと見られている。
【放射能漏れ】東電、事故収束の行程表公表へ 勝俣会長が会見 2011.4.17 12:56
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110417/fks11041713080006-n1.htm

 東京電力は17日、福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた今後の見通しについて、同日午後3時から勝俣恒久会長が東京・内幸町の本店で会見し発表することを明らかにした。1~3号機の原子炉の冷却や燃料棒の移送などの「行程表」について、どこまで具体策を示すかが注目される。
 政府が、東電側に要請していた行程表については、枝野幸男官房長官が17日「今、最終的な詰めをしている。早ければ一両日中には示せるのではないか」との考えを、視察先の福島市内で記者団に答えている。

武田教授によれば、地震によって起きた原発事故は「予想通り」のもの。今後爆発の可能性は皆無ではないが、安定期に入り、直ちに事故処理に入れる段階になったとのこと。
そして、ヨウ素のような半減期の短いものは、やがてなくなるが、セシウムは半減期が30年に及ぶので、梅雨入り前にある程度とってしまうことが必要と、具体的に指摘されている。

原発 緊急情報(55) 3ステップ(その2)
http://takedanet.com/2011/04/55_8617.html

地震が発生した瞬間から福島原発が科学的には、極めて「予想通りに破壊されてきた」ということを前回、書きました。
ただこの表現(予想通り破壊)が被災した人のことを考えると、余りにも冷たい感じがして、今まではっきり書きにくかったのですが、やはり「事実を直視する」ということで今回から書くようにいたしました。
そして昨日の東京電力の将来予測は、これもまた極めて予想通りに展開するとされていました。
東京電力の予想が的確かどうかという議論が行われています。その中には、東京電力が示した「第1ステップ」が3ヶ月では終わらないのではないかというような議論に集中しています。
しかし、福島原発のことは東京電力には重要なことですが、付近住民と、やや遠くに住んでいる人たちにとっては自分たちの所にどのくらいの放射性物質が降ってくるか、野菜や魚がどの程度汚染しているのかということの方が重要です。

東京電力が示した対策の中には、
1) 原子炉だけに関係するもの、
2) 住民にも関係があるもの、
が混ざっていますので、ここではできるだけ原子炉だけに関係するものを除いて、将来像を示していきたいと思います。
つまり、原子炉が非常に不安定なときには、原子炉の状態をよく知っておく必要がありますが、このブログで何回か指摘しましたように爆発の可能性がないわけではありませんが、それを生活の中で考えていかなければならないというのは、3月16日の時点である程度、終わっています。
現在では、さらに爆発の可能性は少なくなっていると考えて行動計画を立てたほうが、実際的であると思います。

・・・・・・・・・
まず第1に、東京電力の計画が第1ステップ、第2ステップにわかれていても、その内容を詳細に見ると、わたくしたちにとっては「徐々に放射線量も減り、徐々に最終的な処理に入っていく」というように解釈できます。 従って、経産大臣は「東京電力の処理を待って地元のことを考えたい」と言っておられましたが、実は今日から直ちに事故処理に入れる段階になったと考えられます。

・・・・・・・・・
まず第1に、福島県東部、すなわち「中通り」及び「浜通り」の地域で放射線物質が多く降った場所を除洗することです。
放射線物質が多く降った地域も必ず住民はそこに帰り、生活をし、そして仕事をします。その時期は早い方がいいのは決まっています。
しかし現在、そこには「放射性物質のチリ」が積もっています。チリは物質ですから、火山の噴火の灰のようなもので、取り除けば綺麗になるのは当然です。
実際にも放射性ヨウ素は半減期が短いので、しばらくほっておけばなくなってしまいますが、セシウムは半減期が30年と長く、その性質は火山灰等にほとんど似ています。
しかし、このままにしておくと畑やグランドでは下の方の土に混ざってしまいますし、またアスファルトや家の壁等についたものはへばりついてなかなかとれないようになります。
特に、雨の多い梅雨になるまでにある程度、とってしまうことが必要です。
ひまわり等を植えると放射性物質が取れるという話もありますが、畑を耕すと、せっかく一番上に薄くのっている放射性物質を土の中の方に入れてしまいますから、望ましいわけではありません。
放射性物質というと何か特殊なように感じるので、そのまま近づかずにしておきたいと思うでしょうが、実際には身の回りにある火山灰と同じです。早いうちに取り除いてしまうことです。

一刻を争います。
政府はあまり当てになりませんから、ボランティアを中心に、まずは福島市、郡山市などを中心に、大規模に除洗し、同時に自衛隊やその他の部隊に依頼して、人が入れない地域も早く除洗することが必要です。

・・・・・・・・・
このままにしておくと放射性物質が福島市や郡山市の町の中に残ってそれが土の表面に近い所で強い放射線を出します。
わたくしのところには読者の方が測定した空間と土やアスファルトの近くの放射線のデータが多くメールしていただいていますが、地面の近くは驚くべき程、放射線量が高いのです。
たとえば、4月16日の測定で、東京のある場所ですが、大気は最小値が0.101μSv/h、最大値が0.173μSv/hですが、 車道際のコンクリートの上の測定では最小値が2.194μSv/h 最大値が2.579μSv/hと非常に高い数値になっています。
この測定値ばかりではなく、今、文科省や自治体が測定している空間の放射線に対して地面に近い所は約10倍になっています。
このことを日本政府は「空間の放射線が少しずつ下がっている」と言っていますが、実際には空間に漂っていた放射線物質が地面に落ちたに過ぎないとも考えられます。

・・・・・・・・・
福島県、茨城県、栃木県、宮城県は、県単位もしくは市町村単位でできるだけ早く除洗することです。これによって放射性物質の90%ぐらいを除くことができると考えられます。
将来とも放射線が10分の1の場所で生活できるのです!!
しかも、早ければ早い程、表面から除去する土の量が少なくなりますので、それだけ労力も少なく、またその土地で長く住む子供たちの被ばくを減らすことになります。

・・・・・・・・・
放射性物質で汚れてしまったと諦めないでください。30年は放射線を出し続けるのですから、最初に除くことが大切です。自治体の最大でもっとも大切な仕事でしょう.
また、上に挙げた県以外の場所については、機会を見てブログに書きたいと思っています。
(平成23年4月18日 午後8時 執筆)武田邦彦

■原発 緊急情報(54) 3ステップ(その1)
http://takedanet.com/2011/04/54_57d1.html


「放射線は身体にいい」?

2011年04月18日 | 原発
難しいことは素人にはわからないが、「ラジウム温泉、ラドン温泉など、自然的な微量のものなら身体にいいかも知れない」という程度だ。
Wikipedia
ホルミシス効果(ホルミシスこうか、英: hormesis)は、生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用をいい、特に自然放射線の人体への健康効果を指す。放射線ホルミシス効果、また放射線ホルミシス学説ともいう[1]。ホルメシスとも表記される。

原発事故から発生する放射線汚染物質は避けた方がよいのは当然だろう。
飛散は数ヶ月と長引く。被爆は累積するので最初防ぐことが肝心と学習した。

武田教授の見解
http://takedanet.com/2011/04/post_ec43.html
原発と生活  強い人はその通り

放射線をご研究になっている先生方で「放射線は体に良い」と言われている方がおられます.
これについての私の見解を書きます.

・・・・・・・・・
生物の歴史は6億年前(単細胞なら37億年前)からですが、その歴史は「放射線との戦い」でした。
ですから生物は放射線に対して何重もの防御をしています。別の表現をすれば、「放射線に対する防御ができる生物だけが生き残り、その中で人間はもっとも放射線に強い生き物」と言えます.
私は生物の「自己修復」という機能を人工的な材料に適合しようという研究をしてきましたので、そのことはよく知っています.
だから、「放射線をあびると健康になる」というのも確かです.
しかし、問題は2つあります。

1) 統計的には、放射線の量が増えると「過剰発がん」が増える。

2) 幼児、妊婦、妊娠可能な女性などに障害者がでる。

という現実があります。つまり強いものは体が防御してくれるのですが、弱いものはやられてしまうということがあるからです.
これは人によって判断が分かれるのですが、私は「弱い人を中心にして、強い人は弱い人がやられなければ大丈夫」という考え方です.
1年に1ミリシーベルトで、過剰発がんは「たった」1億人に5000人ですから、集団としてはたいした事はないかも知れませんが、幼くしてガンになる人は「その人、一人」だから可哀想に思います.
それも、しばらく汚染された土地を離れたり、汚染された食材を売らなければ回避できるのですから、私はそちらの方が良いと思っています.

読者の方で「放射線は本当に危険か」と迷っておられる人が多いのですが、
1) 強い人は大丈夫、
2) 弱い人は危ない、
3) 確率で起こる、
ということを知って、後はご自分で判断してください。

その点で、政府の要人や知事(いずれも50才以上の男性)が放射線に汚染された食材を食べて「平気です」と言っているのを見ると、無性に怒りがこみ上げてきます.
違うだろう!
(平成23年4月17日 午後11時 執筆)武田邦彦

「カイワレ効果よもう一度」とパフォーマンスを行ったが・・・・
魔力に期待?菅首相が風評被害のイチゴに舌鼓 2011年4月15日(金)19:34 (読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20110415-567-OYT1T00943.html

 菅首相は15日、東京電力福島第一原子力発電所の事故で風評被害が出ている福島県の農産物を報道陣の前で食べ、安全性をアピールした。

 首相が食べたのは同県産のイチゴとキュウリで、JA福島中央会の庄條徳一会長が首相官邸に持参した。庄條氏は「かつて首相は、カイワレ大根を食べて風評被害を飛ばした魔力を持っている」と、首相が厚相時代に病原性大腸菌O157による食中毒の広がりに対応した際のエピソードを持ち出してハッパをかけ、首相もおいしそうにイチゴをほおばった。
 また、庄條氏は原発事故の早期収束を求め、首相は「農作物が市場に出せない事態になっていることは大変申し訳ない」と述べた。


原発事故近況(takedanet.comより)

2011年04月18日 | 原発
武田教授のHP(4月16日)より
http://takedanet.com/2011/04/post_651c.html
原発短信  原発の近況など

国がデータを隠しているので、いろいろな憶測が乱れ飛んでいますが、私は今、次のように見ています.

1.福島原発は異常な状態ながら安定していて、徐々に放射性物質の漏洩も少なくなっていく.もう少し我慢する。

2.爆発の可能性はまだあるけれど、それほど危険ではない。しかし、今、被ばくを避けておけば、万が一の時にも「被ばくの貯金(事故が起こって少し被ばくしても、それまでの被曝量が少ないと余裕がある。)」で安心。

3.核爆発でも水蒸気、水素爆発でも、チェルノブイリの経験からはそれほど大きな違いはない.

4.メルトダウンを起こしたとしても、これまでと同じぐらいの放射性物質がでるに止まる.このブログにメルトダウンは解説してあります.

5.従って、原発から福島市までの帯状の地域、原発から茨城北端までの帯状の地域は待避する方が良い(子供は絶対に待避.郡山などでは、水、マスク、洋服を拭く、運動は止めるなど最大限の注意)、東京、仙台などは注意して生活し(水、雨に濡れる、食材)、青森、岩手、秋田、新潟、長野、山梨、静岡とその外側は普通通りの生活で大丈夫。

6.「半径何キロ以内」は無関係です.福島原発を目(光)で見ることができないところは福島原発からの直接の放射線は来ません。

7.東京、群馬、栃木、会津、山形、宮城、福島、茨城では、できるだけ早く家、玄関、道路の清掃(水を使う。拭く)が有効。絨毯や畳も可能なら頑張ってかなり湿ったぞうきんで丹念に拭く.3月に着ていた服は外でブラシをかける。連休までに怪しいものは洗濯などをしておく.特に子供のものは注意する.

8.運動場、スポーツ施設、ビルの屋上、学校の校庭、畑は可能な限り表土を薄く取り、どこかに積み上げてビニールをかぶせておく(放射性物質を拡散させない)。

9.お子さんも、1度や2度、雨に濡れても、水を飲んでも大丈夫(放射線障害は「被ばくの合計」だから、1)最初に待避、2)少しでも放射性物質に接しない、3)一時的に接したら、後は余計に注意する、4)余裕があれば汚染されていない場所に2,3日でも遊ばせる、などで大丈夫です.)

10.福島と茨城の野菜や酪農品を出荷しない.(もし、売られていたら、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムの量を聞いてから買う)。

11.宮城、福島、茨城、千葉の海産物を出荷しない(どうしても買わなければならなければ、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムの量を聞いて買う.大人は少しは良いが子供に与えない)。

12.海洋の汚染(特にストロンチウム)を測定しない間は、魚は、北海道、日本海、九州沖縄、四国のものに限定して買う.ほとんど測定されていないので、かなり危険。

13.連休明けまでだから、頑張る。

14.福島原発は連休明けに一段落して、その後、秋まで「原発の作業」が続く。しかし、庶民にはあまり影響はなくなる.秋になると本格的な「終焉作業」が始まる.

15.福島、茨城はできるだけ、除洗作業を進めた方が良い。もし除洗しないと本当に10年ぐらい畑が使えなくなるし、生活している人も長期に被ばくすることになるので、放射性物質がこびりつかない内に、洗い落とすのが福島の人にとってはとても大切。「放射線は健康に影響が無い」などということは今までの学問にまったく反対なので、それは今後の課題にした方が良い。

16.郷土を愛している人たちは「たいした事はない」と思いたいのは判るし、「福島が汚れていると言ってもらっては困る」という気持ちも分かるが、勇気を持って事実を直視することが、子供達のためになる。除洗を急いで欲しい。その方が福島の郷土を守ることになる!!まして、福島の人を避難しているのではない.福島の人は被害者だが、事実は事実だから東電に負けるな!!汚したのは東電だから、それで子供を被ばくさせないで欲しい。

17.原発は10年ぐらい経ったら解体が始まる。チェルノブイリは26年経ってもそのままだが、福島原発は解体が早いと考えられる.あまりコンクリートなどで固めない方がよいと私は思う。


放射線は目に見えません。また急性の病気は250ミリシーベルト以上の「急性白血球減少」ですが、それより低い被ばくでガンなどの症状がでることが知られています。
あまり「常識」や「大丈夫だよ.これぐらい」と考えずに、一生に一度しか起こらないので、後、数週間だけ頑張ってください。特に未来のある子供に注意。


(平成23年4月16日 午後10時 執筆)武田邦彦


復興・増税より国債

2011年04月17日 | 原発
【主張】復興税 まず「増税ありき」は疑問 2011.4.16 02:48
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110416/plc11041603020006-n1.htm

 東日本大震災からの復興ビジョンを提言する政府の復興構想会議の初会合で、五百旗頭(いおきべ)真議長が復興財源を確保するために震災復興税の創設を提唱した。「まず増税ありき」の財源論議には、大いに疑問がある。
 復興には巨額の費用が必要となる。財源確保の順序として、政府はまず民主党の進めてきた子ども手当などばらまき政策を撤回することから始めねばならない。さらには景気に与える影響も考慮し、復興国債の導入などを含めた幅広い視点で議論すべきだ。

 今回の大震災の被害額は、インフラや建物など直接的なものだけで最大25兆円にのぼる。東北地方を支えてきた農業や漁業などの産業基盤も大きく毀損(きそん)した。復興会議は議論の基本方針に「全国民的な支援と負担が不可欠」と盛り込んだ。「国難」の乗り切りに国民が力を結集するのは当然だ。
 しかし、五百旗頭議長の主張する復興税にはやはり唐突感が否めない。民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)を盛り込んだ予算を組み替えて、復興費用に充当するのが最初だろう。
 それでもなお、財源不足に陥るのは間違いない。新たな財源を探る必要があるが、安易に増税へ走るのでは復興を阻害することにもつながりかねない。
 復興税をめぐっては、与党内にも創設を求める声がある。消費税や所得税などに時限的に上乗せし、増収分を復興費用に充てる案だ。ただ、消費税は今後の社会保障と税制の一体改革での増税が検討課題にあがっている。所得税増税の場合は、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費を冷え込ませる懸念が大きい。
 日本経済は大震災と電力不足で先行き不透明感が強まっている。3月の関東の大手百貨店の売り上げは2割以上落ち込んだ。自動車や電機などの業界は、首都圏の夏の節電対策で輪番操業なども検討している。こうした中での増税論議は、景気に決定的な悪影響を及ぼしてしまうだろう。
 復興財源としては、これまでの政府債務と切り離して管理する復興国債が有効だ。通常の国債よりも償還期限を短くして集中返済するなどの対策もある。
 今の日本には財源論で立ち止まっている猶予はない。震災からの早期復興に何が必要かを議論し、決断しなければならない。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成23年(2011)3月28日(月曜日)
通巻第3285号
http://melma.com/backnumber_45206_5142296/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米国議会に拡がる懸念は福島原発パニックより「日本は米国債を売るのでは?」
復興資金確保に米債売却も選択肢だが、海外債権を切り売りできる「債権大国」

****************************************
 米国議会に拡がる不安は日本が復興資金調達のため保有する8860億ドルの米国債を市場で売却し始めるのではないか」という懸念に立脚する。
米国は福祉予算拡大など、現時点で14兆2000億ドルの連邦政府の赤字を抱えながらも、なお借金をつづけるために新規に赤字国債を発行せざるを得ない。ただし利息を支払っている。利払いだけで予算の15%を占める。
 中国は世界最大の米国債保有国。外貨準備高2兆6000億ドルのうち、米国債は9000億ドルを突破しており、しばしば米国に対して売却をほのめかし、ワシントンを恐喝するかのように政治圧力の武器として活用している。
日本は一度も、この政治的武器を行使したことがない。橋本政権のときに橋本首相が「売りたくなる衝動に駆られることがある」と発言しただけで、米国は周章狼狽した。
 「いま日本が米国債を売ることは考えにくいし、95年神戸震災のときですら売却はなかった。日本はそれでも豊かな国であり、心配なのは利上げである」とティモシー・ガイトナー財務長官は議会証言(3月24日)しているが、連邦議会に拡がる不安は「売らないにせよ、確実なことがある。日本はもう買わない、ということである」
 そうだ。日本がもうこれ以上、米国債を買わないことだけは確実だろう。

 さて、空気はすっかり変わった。
 東日本大地震により、日本には再建のための資金が必要だが、いまのところ10兆円の復興債発行だけ。論壇では産経新聞の田村秀男・編集委員が100兆円国債発行を主張しているのが、現時点での最高額(ついでに言えば小生と西村真悟氏が200兆円)。

 別な視点からこの問題を考えてみよう。
 日本の対外債権は266兆2230億円。ちなみに二位は中国で167兆7333億円。ドイツが118兆8596億円。
 ところが米国は対外債務(借金)が314兆8299億円(いずれも09年統計)。

 第一に日本は対外援助を中断、もしくは縮小できるレジティマシーを得た。国内復興のために海外援助を控えると世界に宣言するべきであろう。

 第二に裕福となった中国には、有利子借款を早期に返却するように求めるべきである。チャイナスクールはこの期に及んでも中国への援助を続行すると言っているが、日本よりGDPが多くなった国に、なぜ援助が必要か?

 第三に国連への分担金は、日本は相対比較でも高額すぎる。国連ほか国際機関への分担金を減額してもらう口実もできた。

 第四に対外債権を切り売り、転売して資金を確保し、日本へ環流させよ。国内需要は復興のための建設、道路整備ほかに必要となり、同時に戦後最悪の失業率5・1%、334万人の失業者の雇用創出に繋がるからである。

 これまでの日本は資金がだぶつき、使うあてがなく(需要が20兆円不足)、国民はひたすら貯金に励んできた。国民金融資産は1400兆円強である。

 ▼赤字国債200兆円増刷はメリットだらけ

  個人消費、設備投資、政府支出、貿易黒字という四つのGDP構成要素のうち、消費と設備投資が縮小気味で、しかもデフレ、政府は緊縮財政という愚かな政策に陥没し、かろうじて貿易黒字がGDP拡大に貢献してきた。 経済理論に照らしても、こうした状況からはい上がるには政府支出の劇的な拡大しか手段はないのである。
 こうなると貯金は投資にまわらず銀行は貸付先がないから国債を買うしかない。生保、農協バンクなどはわが国債ばかりか、米国債を買い増しするしかない。だから筆者らは政府支出を拡大せよ、そのために200兆円の赤字国債をおそれることはない、と主張するのである。

 200兆円の国債発行は次のメリットがある。

 第一に東日本大地震復興資金(およそ20兆円から25兆円)のみならず、これは日本全体の経済復興のために使える。

 ▼円安こそ、日本経済を救う

 第二に資金のメドが経てば、復興五カ年計画が立案できる。長期的ビジョンのもと、既存の高速道路、トンネル補強工事など、日本全体を再度普請の槌音を響かせるための構想はある。防衛力の拡充、全国の周波数統一による電力供給網の整備も可能となり、総合的な国力拡充がみこめる。

 第三に国際的反応である。200兆ともなれば、円は間違いなく円安にぶれる。一ドル=100円から120円前後に円安となれば、輸出競争力をふたたび回復でき、日本企業がいたずらに工場を海外移転して、国内雇用へ減らすという自暴自棄の姿勢を改めることができる絶好の機会にもなりうる。
「円安」こそは国を救う(筆者は為替レートも固定相場制復帰論だが、この論考は別の機会に譲る)。

  第四に、国債増発は自動的に、日本が意図するか否かに拘わらず世界が争っている通貨安戦争に打って出ることができる。G7はすでに日本の円安介入を認めている。このチャンスを120%活用するには、通貨を安くすることが前提条件である。

 第五に利上げ傾向が確実となり、不健全な金融システムが是正される。金融業が逆ざやでは、産業の血脈はいずれ動脈硬化、心不全と起こす状況から抜け出せるのである。


原発耐震 想定外の生まれた瞬間

2011年04月16日 | 原発
原発は安全なエネルギーか、少資源国日本では悩ましい問題だ。
日本の原発は今回のような大地震には、耐えられないのがはっきりした。
どこでそういうふうになったのか、武田教授が「安全委員会速記録」を公表された。
そこには「大きい地震は想定外」という驚愕の指針があった。
武田教授は厳しい質問で食い下がったにもかかわらず、安全委員会は再考しなかったと慚愧の念をまじえて仰っている。

武田教授のHPより
http://takedanet.com/2011/04/1_d08f.html
原発深層流002 危険な原発? 安全委員会速記録(1)

(原発を抱えている日本の親の責任として知っておかなければならないことでもあります。)
日本には、原発の「安全」を守るために「原子力安全委員会」という組織があります。
その安全委員会が数年前(平成18年の9月ですが)に、いかめしい書類「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」というのを出しています。
簡単に言うと「原発は地震でどうなるのか、どうしたら良いのか」を解説しているのです.
そこに、驚くべきことが書かれています.

1) 大きい地震が起こったら「想定外」として良い。

2) 想定外の地震が起こると「大量の放射性物質」が放散される。

3) 公衆に対して放射線被ばくが起こる。

4) 地震で極めてまれに津波が発生する.


・・・・・・・・・
私もこの説明を専門委員会で受けて、ひっくり返るほど驚いたものです。そして冒頭に次のように質問しています(第2回専門部会速記録から).
「この地震指針は、
1. 原子炉を守るためですか?
2. 運転を継続するためですか?
3. 付近住民を守るためですか?
なにが目的ですか」
バカらしい質問と言えば、バカらしいとも言えます.地震や津波から原子炉を守るのですから、原子炉や運転を守ることができれば同時に付近住民を守ることにもなるからです。
しかし、私の目の前にある書類には、「原子炉は守るけれど、原発全体は守らないし、付近住民など視野に入っていない」という内容だったのです。
たとえば、「原子炉の耐震性はよくよく考えるけれど、冷却するために必要な電源などどうでもよい」という感じでした。
今回の大震災の余震の時に、「震度4」で東通原発の電源がすべて(通常、予備、非常ディーゼル)壊滅してしまいました。また2007年の中越沖地震では東電の柏崎刈葉原発で変電所が高い黒煙をあげて燃えました。
原発が「震度4」で全部の電源を失うということは到底、日本人の常識に反するのですが、「原子炉だけは守るけれど、後は知らない」という内容だったのです.

この私の質問に対して、内閣府の課長はピントの外れた答え(わざとですが)を延々としました。
そこで、仕方なく、
(クリックで拡大)
と聞きました(ダブルクリックすると大きくなると思います)。つまり、理屈は通っていても、地震が来ると付近住民が1万人死んでも関係がないということではないか?との質問でした。

これに対しても、ノラリクラリとやられたので、
(クリックで拡大)
と3回目の質問をしました。会議では多くの委員が均等に発言するために、一人が3回も連続して発言するのはややルール違反ですが、このままでは「地震で倒れる原発ができる」と思った私は食い下がったのです.
全ての質問は交わされ、議長は他の委員を指名しました。
ここで「電力会社が間違えて原発を作ると、その結果、何が起こるか判らない」という「地震指針」が通ってしまったのです.

悔やんでも悔やみきれない瞬間でした。


今になってみると、その時に机の上に駆け上がって「反対だっ!」と叫んだら良かったのか、そんなことをしたら守衛につまみ出されるだけだったか、そうはいってもあのときに追求の手をゆるめたのが今度の事故になったと思うと残念でたまりません。
(平成23年4月16日 午前9時 執筆)武田邦彦


放射線と放射性物質の区別

2011年04月16日 | 原発
私のような素人には原発用語が難しい。
生半可な知識によって、福島県人差別が起きているらしい。

武田教授のHPより
http://takedanet.com/2011/04/post_173f.html
「福島県人差別」の原因を作っている人たち

福島県人の「差別」が進んでいます。福島県人が避難してくるのをいやがったり、酷い例では福島県人の診療を拒否する病院すらあります。
言うまでもありませんが、福島県の人は他の都道府県の日本人とまったく同じで、クリーンです.
でも、これほどバカらしいことが「科学技術立国」の日本で起こるのは、それを仕掛けている人がいるからです.


・・・・・・・・・
1) 日本政府が「福島県人から放射線がでている」と言ったから
 ある時、テレビを見ていましたら、福島原発の近くの人たちが「被ばくしているかどうか」ということで、「体の外側から放射線の測定器をあてて」、「被ばくを測定する」という映像が何回か流れました。
そして、「体から放射線が出ていない人は、被ばくしていません」と言っていました。
これを見た素直は人なら、次のように受け取るでしょう.
「へえー! 被ばくしているかどうか外から判るの!?
 なら、その人から放射線がでているのね! 福島県の人は被ばくしているから、近づくとこっちが被ばくするのね!」
福島県人が「被ばくしていない」ということを宣伝するために、このようなトリックを日本政府がやったのですが、それは「福島県人から放射線がでている」と言ったも同然であることに気がついていません.

それに対して私は、
「体の外から測っても、その人の被曝量は測ることができません。あれは「洋服についているチリ」を測っているだけです。被ばくはDNAを観測しなければ判りません.」
と言いましたが、なにせ個人の力なので、多くの人は政府の言ったことを信用しています。
また、精神的にも打撃を受けている福島のお役所に悪いのですが、もっと積極的にこのような非科学的な報道について是正を求めるべきです。


2) 日本政府が放射線と放射性物質の区別をごまかしたから、
原発事故で大切なのは、「被ばくは「原発からの放射線」ではなく、「放射性物質からの被ばく」である」ことを理解する事です.
これが間違っていると、誤解が生じるので、そのうちに「福島県の人は・・・」という事になります。すべてが正しくないと差別が生まれます.
まず、距離の2乗に反比例する「放射線」が問題ではないので、「原発からの距離」で規制するのを止めることです.
それなのに、日本政府も福島県も「原発からの距離」を言っているので、他県の人は「距離が近い福島県の人は危ない」と思ってしまうのです.
「距離」ではなく「風向き」ですから、それも福島県自体がハッキリしないと誤解は解けないと思います.
また、「放射性物質」からの被ばくですから、福島県人は「放射性物質」ではないので、被ばくの原因にはならないと科学的に説明しなければなりません。


3) 福島県知事や川崎市長が原因を作る
福島県知事は「福島産の野菜は安全だ」と言いましたが、「福島産の野菜」となると放射性物質が含まれているものがあることは間違いなく、正しくは「福島産の野菜で放射性物質を含んでいないものもあるので、区別して欲しい」というのは科学的です.
福島産の野菜がすべてOKということではないので、「放射性物質が含まれていない野菜だけを出荷します」と知事が言えば、科学的に合理的なので、他県の人は納得します。
また、川崎市長が「福島の瓦礫を川崎に受け入れる」と表明しました。「福島の瓦礫」でも「放射性物質がついているもの」と「いないもの」がありますので、これも不信感を増大させました。
福島の方は東電の「被害者」ですが、当然、郷土に対する強い愛情がありますから、時として「福島は汚染されていない」というような発信があるのですが、哀しいことに「福島の一部は汚染されている」のは確かです.
それを福島県の人が認めることも、これから子供達も含めて差別が起こらないもっとも肝心なことと思います. つまり、「福島県人が差別される」というのは「非科学的なこと」であってはいけないのですが、もし「政府や福島県の人が非科学的なことを言う」と、どうしても非科学的な差別が生まれるでしょう.
福島県の人が、勇気を持って事実を見つめ、郷土を守る強い決意を持っていただければと希望します.
(平成23年4月15日 午後2時 いそいで執筆)武田邦彦

放射線測定バッジ「個人配布を」=福島県と国に提言-国立がんセンター
http://203.183.152.33/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2011041400725&j4
国立がん研究センター(東京都中央区)の嘉山孝正理事長らは14日、同センターで記者会見し、医療従事者が放射線を取り扱う業務の際に使う放射線測定器具「フィルムバッジ」を、福島県の住民に配布することを県と国に提言すると発表した。
 嘉山理事長によると、測定器具は外部被ばく線量を測定するため、国内で約44万人の医療従事者が胸などに着けて使用。1カ月間といった一定期間ごとに線量を測定する機関に送る。費用は1人1回3000円程度で、送付後約2週間で結果が返ってくるという。
 同センターは約2万人分のフィルムバッジが入手可能といい、嘉山理事長は「福島県の方々が安心して生活できるように最大限の協力をしたい」と話した。(時事 2011/04/14-18:50)


原発事故 嘘が生み出す「風評」

2011年04月15日 | 原発
昔あった「大本営発表」というのが・・・
政府は嘘を言って、国民を守らない、誰のための政府なのか。
単なる無能政府か、日本を亡国にしたい某国傀儡政府か。

武田教授のHPより
http://takedanet.com/2011/04/post_0a1f.html
原発深層流001 信用できる人、できない人 その1

福島原発の事故から1ヶ月が経ちました.
放射性物質は「半減期」というのがありますから、原発の西北や南の近い場所を除いて、これまでなら普通の生活に戻れるところですが、事故後の処理に手間取っているので、連休明けに向けて準備をする期間です.
とりあえず、汚染された身の回りのものや部屋を綺麗にしておくことで、念のため洋服なども外でブラシをかけておくなどの後始末をすることが有効です.
また、連休明けからの水や食材の選択などは来週ぐらいから書きはじめますが、これからの準備の一環として、少し深く理解をしておきたいと思います。
その参考にしていただくために「原発事故の深層」を覗いてみます.

・・・・・・・・・
原発について「日本政府」はまったく信用できません.
福島の教育委員会は「政府が安全と言っているから、児童生徒を被曝させても良い」などと言っていますが、困ったものです。
政府が信用できないのは、主として次の2つの事実です.

第一・・・・・・・・・
3月20日には判っていたのに、4月10日頃になって「福島原発の事故はレベル7」と発表したこと、

第二・・・・・・・・・
原発の傍の海から規制値の3355倍の放射性ヨウ素が検出されたのに「健康に影響が無い」と言ったこと、 の2つです。


福島原発のことについて、政府、原子力安全委員会、保安院の言ったことはすべて信用できません.もっとも良いのはテレビなどでの彼らの会見を聞かないことです。
人間は、ウソと判っていても繰り返し聞くと、ついつい信用してしまいます.また、ウソの中でも「自分が納得するもの」を「本当のこと」と思ってしまうことがあります。

・・・・・・・・・
原発事故にはレベルをつけることで、直感的な整理や判断をするようになっています。一つ一つの事故をよくよく考えることができれば、レベルなどを設定しなくても良いかも知れないのですが、多くの人が関係する世界的なことはレベルを決めて分類したり、整理したりすることが大切だからです。

そして、人はそのレベルを見て、「どのぐらいの事故だ」と判断し、自らの行動に活かすのです。
仮に政府が国民のことを考えていれば、3月20日に「レベル7」を宣言したでしょう.そうしたら、多くの人がより早く遠くに移動して被曝を避けられたかも知れません。
また近くの小学校などでも開校を遅らせたりする根拠が得られますから、子供達の健康を守ることができたかも知れないのです。
しかし、現実的には日本政府は20日も隠していました。その理由として官房長官は「(日本人が被曝することより、)パニックが怖かった」という趣旨の事を会見で言っていました。
もし、自分の子供が原発の近くにいて、自分の手元に「大量の放射線がでた」という報告が来たら、奥さんに電話するでしょう。つまり、日本政府は日本人を守ろうとはしていないのです。

・・・・・・・・・
原発の近くの海から基準値の3355倍の放射性ヨウ素が検出されたとき、保安院は記者会見で「健康に影響がない」と言いました。
このような「真っ赤なウソ」が白昼堂々とテレビで放映され、ニュースで流れるという現状を「信用しろ」と言っても無理です.


規制値や基準値と言われるものは若干の安全性を含んでいます.
それは、社会には赤ちゃんや妊婦、それも病気で治療や検査のために放射線をあびたばかりという方もおられます.だから、「やや安全サイド」で数値が決まっていますが、極端に安全側ではありません。
たとえば、一般の人の被曝線量の限界は1年間に1ミリシーベルトになっていますが、その3355倍というと、3シーベルトを越え、50%の人が即死(急性疾患で死亡)するような放射線量になります。
基準値の10倍ぐらいまでなら、短期間に被曝しても回復することができますが、さすが3355倍ではどうにもなりません。会見で「健康に影響ない」と発言した人は、まず自分のお孫さんをその海に入れてください。
私は普通はこのようなことを言いません。どこの親でも自分の子供や孫は大切で、万が一のことを考えるからです.でも、今回ばかりはどうしても言いたいのです.

怒りがこみ上げてきます.

保安院の審議官は、日本国民を人間と思っていないのです。ただ、自らの保身のために「自分の言ったこと(3355倍は安全だ)を信じて、赤ちゃんを海水浴させて死んでも良いです」と言っているのです.
保安院が解散されないのが実に不思議ですし、あのときの会見は「表現の自由」に基づくものではなく、「国家権力を使った騙し」ですから、検察は直ちに逮捕しなければならないでしょう。


・・・・・・・・・
政府の発表は空間線量も含めてまったく信用できません。
空間線量はできるだけ計測器を持っている人がネットで発表し、それを使いたいと思います.1時間で0.6マイクロシーベルトより高いところには近づかず、1時間で0.11マイクロシーベルト以下のところは安心して生活するという「ケジメ」をハッキリつけたいと思います.
若い女性も放射線の感度が高いのですが、それでも「スーパーに行けば自分で安全なものを選ぶことができる」のですが、子供は一切、できません。
教育委員会のように「政府を信じたのだから、子供が病気になっても責任はない」などという無責任なことにならないように、「信用できない政府」を「信用しないこと」が大切でしょう.

・・・・・・・・・
政府の小さなウソの一例・・政府の発表を信じていると、奇妙なことになって困っている人が多いから)
1)自然放射線は年間1.4ミリシーベルトなのに、2.4ミリシーベルトと言った(多く見せるウソ)。

2)東京―ニューヨーク間の航空機の被曝は普通は100マイクロシーベルトなのに、特殊例で200マイクロシーベルトと言った(多く見せるウソ)。

3)1年間100ミリシーベルトは職業人の被曝限界なのに、一般人(赤ちゃんを含め)に「健康に影響がない」と言った(法律違反).

4)CTスキャンなどは医療行為でやむを得ず被曝する(それだけの危険を冒す必要性を医師が判断した場合に限る)のに、一般人が被曝する量をCTスキャンと比較した(違うものを比較).

5)炉心が破壊されていないとでない核種が検出されているのに、「炉心は破壊されていない」と言い続けた。

6)魚に蓄積するもっとも危険なストロンチウムを測定せずに、「魚は安全だ」と言った。

7)放射性物質で汚染された土地の作物は汚染されているのに、官庁の食堂で出したり、販売を促進したりした。

8)福島第一の1号機、3号機、4号機の爆発の映像の発表を、(おそらく)NHKはじめマスコミが報道しないように圧力をかけた(国民が原発の状態を知るもっとも大切な映像をメディアは流さなかった。ネットで見ることができるが)

9)その他、数え切れない.


(平成23年4月15日 午前11時 執筆)武田邦彦