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今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

私の母が詠んだ短歌

2011-01-15 06:43:02 | 想い出

朝、内閣改造の詳しい報道を見たく思い、テレビをつけました。

ところが、目に映った画面は、宮中の歌会始め。

日本の伝統由々しき、凛としたたたずまいと清々しい雰囲気の中、朗々と読み上げられるお歌に、思わず惹き込まれ、
最後まじっと見入ってしまいました。


今年のお題は、葉の一文字。


数万の応募の中から選ばれた歌の中には、14歳の女子学生のものも。


突然襲った病で、難聴になられた主婦の歌も。


高校生の初恋のときめきを詠んだ歌や、夫婦愛を表現したもの、人生の苦労の感慨を詠んだもの。


葉に寄せる思いは様々で、どのお歌も、私の心に、深く染みいりました。



意外だったのは、いずれも非常に平易な言葉で語られ、難解な歌が一句もなかったこと。


単純な私は、この程度であれば、私にも作れそう、と浅はかな思いが脳裏をかすめたのでした。(笑)



私には無理でも、身近に短歌の心得があった人がいます。


私の母です。


いつか、この日記で、母のことを語りたいとも思いますが、あまりに思いが熱く、簡単に綴れるものではありません。


紫の着物がよく似合う、とても美しい人でした。

四十代からは洋装となりましたが、大変なお洒落。

生い立ちからおのずと身に付いた気品にあふれ、凛とし佇まいの姿勢を最後まで崩さないひとでした。

その母が、読んだ歌が、郷里で刊行された短歌の小冊子に載っています。

母の歌の欄のお題は、孫。

初孫に当たる、私の長女への溢れるような思いは、今も語り草で、感謝とともに、懐かしく思い出が蘇ってきます。

自然の情景を詠っだものも含まれていますが、数首、ここに、ご紹介させていただきます。

佇ち止まり目こらして松陰の遺品の前に孫動かず

旅よりの孫の電話の声はずむ志賀高原の涼しさ伝う

一人行く赴任の父に頬ずりし足早に登校す孫いじらしき

おばあちゃまママ倒れたのすぐ来てと孫の絶句に体冷えゆく

寂として動く一葉もなき庭の松の木の間のかかる満月

摩周湖に雲の影静かに行き交いて湖面は濃淡に藍うつろえり

白鳥は足掻きを見せて浮かびおり姿さながら哲人のごと

世界中に公開される子の記事。

亡き母は、面映ゆく感じながらも、喜んでくれているでしょう。

下の掛け軸の写真は、書道展で入選した時の母の作品です。

自分のブログを読み、胸に込み上げるものが抑えられない私です。変ですね~(涙笑い)





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