かたてブログ

片手袋研究家、石井公二による研究活動報告。

『落ちている靴下や靴についても注目してみよう』

2015-06-19 19:21:15 | 番外

昨日Twitterでメンションを頂きました。簡単に内容をまとめると、

「片靴下を見付けたのですが、なんと介入型でした!信じられないかもしれませんが、本当です」

というもの。わざわざご報告頂き嬉しかったですし、僕は100%このご報告を信用しました。それは何故か?

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…僕、靴下も撮ってるからです。僕の経験上、靴下は放置型よりむしろ介入型の方が多いですね。片手袋に介入するより、ある意味勇気入りますよね?

靴下を撮ってるなら、勿論これも撮ってます。

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はい、靴です。上の写真のように手袋と同じく、靴も片方だけ落ちている事があります。

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でも手袋は片方だけ落ちている方が謎ですけど、靴の場合は両方落ちている方が謎ですね。「どうやって帰ったんだよ!っていうか怖いよ!」と言いたいです。

ある方にお聞きしたのですが、車を土禁にしている場合、乗車する前に靴を脱ぎそのまま発車してしまう事があるそうです。「玄関かよ!」と。だから高速のサービスエリアなんかには結構揃いの靴が忘れられているそうですよ。

そう言えば以前上野から水戸まで電車に乗った時、かなり乗車時間が長かったので車窓から片手袋を発見出来ないか訓練していたんですね(何やってんだよ、俺は)。そしたら片手袋は発見出来なかったんですが、三つの駐車場に揃いの靴が忘れられていました。

その結果、僕はホームランを量産出来るようになった訳です(ドカベンかよっ!)。

靴も当然介入型があります。

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この電気機器の操作盤の上に集中するのは何故でしょうか?この辺、片手袋程には考察が進んでいないのです。

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そう言えば、片手袋と片靴の共演も今までに何度かありました。

さて、落とし物の靴下と靴。一つ共通している事があります。それは、「圧倒的に子供の物が多い」という事です。

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そしてこのように放置型もありますが、殆どが介入型です。

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まず「何故子供用の靴が沢山落ちているのか?」という事ですが、これは自分に子供が出来て分かりました。自転車の後ろに乗せている時、足をブラブラさせていて落としてしまうんですね。しかも親は見えないので気付かない。家に着いてから「あんた、何やってるの!」という事になる訳です。

そして介入型が多い理由は片手袋と一緒で、やはり子供用は可哀想でつい拾い上げてしまうんでしょうね。

そうそう、先程の操作盤じゃありませんけど、子供用の靴の介入型は何故か横断歩道のボタンの上に置かれている事が多いです。

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これも考察は深まっていません。

片手袋が好きになったのは小学生の頃からですけど、今のような姿勢で片手袋研究を始めたのは路上観察学会を知ってからです。その視点で町を歩いていれば、当然片手袋以外の気になる物も撮ってしまうんですよね。

こうして僕は、歩いていても全然目的地に着かなくなってしまうんです…。


『temporarily』

2015-06-17 20:03:48 | 片手袋研究発表

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築地に限らず配送関係の人達って荷物を届ける際、台車やバイクに片方だけ手袋を置いていく事があるみたいです。もう何度も目撃しています。たぶん伝票を扱ったりする際、手袋をしているとやりづらいんでしょうね。

つまりこれらは“一時的片手袋”。だって持ち主が戻ってくれば再び両手袋に戻る訳ですから。だからいつも紹介している片手袋達とは若干趣が違います。でも何度も書いているのですが僕は片手袋研究家なので、“物体として片方の手袋”であればなんでも記録しています。

そしてこの“一時的片手袋”達は重要な事を思い出させてくれる存在でもあります。僕が昔「放置型」と「介入型」の違いについて書いた文章の最後に、こうあります。

“放置型、介入型の注意点は、この分類はあくまで「片手袋観察者の主観的分類法」である、という事だ。

つまり、観察者が片手袋を発見した段階で放置型だったとしても、その後、誰かが拾ってあげて介入型に変化する可能性もあるのだ。”

この“一時的片手袋”達は、「片手袋の状態は発見者が見付けたタイミングによって変わってくる」という事を再確認させてくれます。片手袋になっているのは、たまたま仕事中の方がその場を離れた時なんですからね。

なかなか片手袋と出会えない時期は、色々な考察を重ねたり今までの研究成果を再検証してみる良い時期です。


『Dr.スランプ カタテちゃん』

2015-06-16 20:09:27 | 写真

「片手袋研究は夏だけの趣味ではありません!」

何度も力強く主張しておきながら、最近あまり出会えていないのです。

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写真単体で見れば、ここ一カ月ではこれが最も優れた一枚。どれほど苦境に立たされているのかお分かり頂けると思います。

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冬場はこんなに見た目が派手な片手袋とバンバン出会うんですからね。

でも普段から自分で掲げてる、「見た目とかに左右されず全ての片手袋を愛す片手袋博愛主義者」、「片手袋は一年通じて楽しめる趣味である」という二つを証明する為にも、この辛い時期頑張っていきます。

P.S 「夏のも冬のも地味にしか見えないんだけど?」。そんな疑問を持ったあなた。大人なら黙っておいた方が良い事もあるって思いませんか?誠意って何かね?


『ソーシャルデザインアワード終了まであと1週間!』

2015-06-15 22:26:25 | お知らせ

新宿コニカミノルタギャラリーで開催中の『ソーシャルデザインアワード』。会期終了までいよいよあと一週間となりました。

大体週一回作品の状態を見に行ってるのですが、行く度に片手袋想像ノートに綴られた物語が増えているので本当に嬉しいです。現在までに、既に50人位の方が参加して下さっています(もっと多いかも)。

もう一度僕の作品、『手から手』の簡単な説明を。

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壁には20枚の片手袋写真。その前に置かれた机の上に一冊のノート。好きな片手袋写真を一枚選んで、その片手袋を落とした人や拾った人や通り掛かった人、もしくは片手袋そのものの物語を想像してノートに綴って貰う、という作品です。

つまり鑑賞者の方々が参加して下さらないと作品は成り立たない訳で、会期が始まる前はその事を一番心配していました。ところが始まってみたら本当に沢山の方が、片手袋研究家の僕でも思いつかないような物語を想像してくれているのです。

ノートには年齢や名前、性別なんかを書く欄を設けませんでした。我々はどんな人が片手袋を落としたのか知る事は出来ず、想像するしかない訳です。ノートに綴った人も実際にはどんな人なのか分からない方が面白いと思ったのです。

個人情報などを知る手掛かりは何もないので、今日は幾つか物語例をお見せしたいと思います(万が一、「あ、これ私の!勝手に載せないで!」という方がいましたら申し訳ありません。ご連絡下さいませ)。

まずはこちら。左が片手袋写真。右がそれを見て綴られた物語です。

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綴られた物語も面白いですが、段落ごとに色が変えてあるのも興味深いです。この片手袋写真は二枚の片手袋が映っていますが、手前の片手袋はとても目を引くカラフルなものです。なんかそれと呼応しているようですし、これを書いて下さった方の性格なんかも想像出来るようで。

お次はこちら。

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なんと絵だけで表現してくれています。信号待ちで並んだ二台の車。それぞれを運転する男女の間に生まれた、一瞬の恋物語。う~ん、凄いです。僕なんかはこの片手袋、「車に踏まれてかわいそうだな」と思っていたんですが、(失恋物語ながら)こんなに楽しい物語を導き出してくれるとは。

記入欄の右下に「from FR」の文字が見えますが、もしかしたらフランスの方なのかもしれませんね。一応英語でも作品説明を書いておきましたが、片手袋は軽く国境を越えていきます。

このように沢山の物語が詰まったノートです。もし会場に行かれる方は、物語を綴って欲しいというのは勿論、他の方の物語もじっくり読んでみて下さい。とても興味深いですよ!

『ソーシャルデザインアワード』は、6/22(月)まで開催中です。僕の作品以外にも社会に対する様々な提案を含んだ作品が並んでいます。是非ご覧下さい!
※なお毎日19時までオープンしていますが、最終日だけは15時までだそうです。

http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2015june/social_design_award/index.html


『心の壁、愛の橋』

2015-06-14 21:39:06 | 写真

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この片手袋が

①軍手でなく、
②グチョグチョでゴミ同然になってしまった“放置型雨に唄えば系”でなければ、

誰かが拾って“介入型三角コーン系”になれたのだろうか?

答えは否。冬場に出会ったこの片手袋を見て欲しい。

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①ファッション類で、
②晴れた日で見栄えの良い片手袋なのに、

すぐそばの三角コーンに介入されていない。

人間が落ちている片手袋を拾い上げるのか、そのまま通り過ぎるのか?その心の動きの微妙な境目は、片手袋研究10年目の私にも未だに分からないのである。

是非皆様の意見もお聞かせ願いたい。もしくは「意見なんかある訳ねーだろ!」というあなた。せめて私を温かい目で見守ってくれないだろうか?