普通な生活 普通な人々

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パンデミック? エボラ出血熱

2014-08-03 15:53:18 | まあまあ社会<的>な
ちょうど2年前の8月30日に、アメリカでの「西ナイル熱」の流行に関する記事を書いた。

そして今年は、西アフリカ一帯で猛威を振るっているエボラ出血熱の記事を書こうとしているわけだ。

このエボラ出血熱は、映画『アウトブレイク』(ウォルフガング・ペーターゼン監督、1995年)のモチーフになっていて、必要以上に恐ろしい印象を我々は持っているのだが、実際のところ爆発的で際限のない感染には至らないというのが、世界的な見解。

というのもエボラ出血熱は、空気感染しないと言われ、体液などの接触感染が主だというのだ。ただ感染による致死率は50 - 90%と非常に高く、治癒しても重い後遺症(失明など)を残すとも。

それでもウィルス株に特段の変異でもない限り、体液などの接触感染である限り、感染経路は特定しやすいわけで、対処法もそれなりにあるということのようだ。アメリカの研究機関ではすでにワクチン(Zmapp)が完成しているとも言われ、日本でも開発されているとも聞く。

いまのところ、西アフリカの4ケ国(ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリア)にとどまっている感染範囲を、これ以上に拡大させない措置として、関係諸国は隔離封じ込めを対処法として対応を始めた。シエラレオネなどでは、軍隊による感染重点地域の封鎖措置も取られているという。映画そのもの!

だが冷静に眺めてみると、パンデミックには至らないという見解が本当なのか、ちょっと信じられなくなってくる。まず直近の感染者数の激増ぶり。今年3月から7月27日までで、感染地域4カ国での死者は計730人に上っているのだが、この数週間、毎週100人前後が感染していると言われている。

対応治療にあたっていたアメリカの医師団の医師も感染死亡、一人は帰国治療という事態に至っている。

またCNNによれば、米疾病対策センター(CDC)は7月31日、感染被害が顕著なギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航注意の水準レベルを2から3に引き上げた。CDCがこれまでレベル3を発令したのは2度。03年に中国などで大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時と、10年に起きた中米ハイチの大規模地震時の2度のみ、だという。

西アフリカでの流行は、風土的な要因、宗教的な要因、先進医療への無理解など、それこそさまざまなファクターがあるとはいえ、日本はというと、なにか対岸の火事とまでもいかない呑気な父さんぶりで、そんなことが起こってるのくらいのものだが、接触感染とは言いながら、もしいったん感染者が日本に上陸すれば、その感染速度は西アフリカ諸国の比ではないだろう。

日本の感染症に対する水際作戦はこれまで見事に功を奏しているのだが、これから先もそうとは限らない。なにせ日本人の人間力は、確実に落ちているから。

人のことに目を向けられる人が、人の痛みに気付く人が、どんどん減っているからなぁ。

電車の中で、なにか辛そうな人を見たら、無視するのだけはやめて一声かけるくらいの人間力は保持していたいものですね、っと。