普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

雀の子

2017-04-21 19:46:10 | こんなことを考えた
今朝、仕事に出かけるのでバタバタと玄関を出て、ごみを出してマンションへの車の出入り口付近で、なにか違和感を感じ地面をよく見ると、雀の子がいました。

立っているのかうずくまっているのか、コロンと横になっているわけではないので生きているのだとは思いましたが、まったく動く気配がありません。

本来雀はちょこちょこと動き回るものですから、何かおかしいと思ってそっと近づいても、まったく動く気配がありません。

あまりにも可愛い姿に、遅刻しそうな塩梅だったのですが、ちょっとしゃがんで見入ってしまいました。そこは車の出入り口で、このままにしておくと確実に車に轢かれそうです。

そこで、そっと親指と人差し指で羽の付け根を挟むようにして持ち上げて、場所を移動することに。

ボクの記憶の中では、雀は籠のわなを仕掛けても一度たりとも捕まえることのできなかった生き物で、まさか手で触れ持ち上げることができるとは、思いもしませんでしたが、雀の子は暴れることもなく、少しだけボクの方に顔を向けただけで、されるがままにしていました。

写真に撮ろうかなと思いましたが、やめました。もしこの子が鳥インフルエンザだったり、車か何かにぶつかって動けなかったり、あるいは何らかの理由で死の瀬戸際だったりするかもしれない可能性を考えると、何か生命の尊厳を犯すような気にもなり、やめました。

気にはなるけれど、時間がありません。その時のボクにできるたった一つの事だと思い、そっと通路の端っこに移動して、元気でいるんだよと心で伝えながら、その場を離れました。

今帰宅しましたが、雀の子はいませんでした。

元気で飛び立った姿を、想像することにしました。