8月26日(土)に高梁市役所で行われるトロイ市派遣団報告会に招待され、出席することにした。
オハイオ州トロイ市(アメリカ合衆国)は高梁市の国際姉妹都市であり、
この縁組みには吉備国際大学が係わっている。
トロイ市の位置をGoogleマップで確認していたら、近くにナイアガラがあることに気づき、昔の留学中の旅の記憶が鮮やかによみがえってきた。
以前、ブログにまとめたことがあるのでここでもう一度整理してみようと思う。
この旅行は1994年の夏のことである。
1.
コーニング、コーネル大学、フィンガーレイク地方
友人がコーネル大学に留学していたのを訪ねる目的もあり、オンタリオ湖南の付近の都市をゆっくり訪ねてみました。
「コーニング」といえば、日本でも割れにくい食器のコレールなどを通じてご存じの方も多いと思いますが、ガラスで有名な街です。
コーニングガラスセンターという美術館、工場、販売店などの複合施設があり、メインストリートにはブティック、クラフトやアンティークショップが建ち並び、ちょうど休日だったこともあり、お祭りのような騒ぎで大変楽しいところでした。
コーネル大学は「イサカ」という町にあるのですが、ここは「大学門前町」で、学生が好みそうなカジュアルなレストランや小物販売の店が建ち並び、落ち着いたところです。
2.
ナイアガラの滝
「ナイアガラ」と言えば、世界的に有名な一大観光地であり、アメリカ、カナダの東海岸の日本からのツアーにも必ず組み込まれるところです。
エリー湖から流れ出したナイアガラ川は、本流がカナダ滝、ゴート島を挟んだ支流がアメリカ滝として流れ落ちます。
落差56m、幅675mのカナダ滝は、中央が浸食されたその形から「ホースシュー」(馬蹄型、幸運を呼ぶお守りとして、好まれています)と呼ばれています。
流れは毎分17,000klと言われ、大瀑布は現在も岩を削り後退し続けています。
3.
サウザンアイランド
サウザンアイランドと言えば、日本でも有名なピンク色がかった甘口のドレッシングですが、この「いわれ」を知っている人は少ないでしょう。
オンタリオ湖の東側にキングストンという小さな街がありますが、ここからセントローレンス川のクルーズに行くことが出来ます。
この川には千ほど(ともいわれる)小さな島々が点在し、世界的な高級リゾート地になっています。
大富豪が島一つ一つを所有し、別荘を建てクルーズをして楽しんでいるのです。
あるシャトーの料理長が作ったのが、今では世界的に有名なサウザンアイランドドレッシングなのです。
もちろんピクルスや香辛料がマヨネーズベースの乳化した液体に浮かんでいる様もまさにうなずけるような話です。
とにかく、ゆっくりした旅でないとここを楽しむクルーズには参加できないかもしれませんが、素晴らしい景観とのんびりした時間が楽しめる所です。
4.
オタワ、モントリオール
メープル街道と呼ばれるハイウエィを抜けるとオタワに着きます。
オタワはカナダの首都でもあります。
カルチェラタンと呼ばれる地域を中心として世界各国の移民があつまり、街全体が文化の香りあふれ、異国情緒漂う風情のある都市です。
私はここで、韓国料理のバイキングの店にたまたま立ち寄ったのですが、本場の韓国料理をはじめとして、日本的な巻きずしやアメリカン的なフライ物まであるおもしろい店だったことを覚えています。
土産物屋には、アフリカの彫刻や置物の店や、メキシコ風の半貴石やカラーストーンを販売している店もあります。
オタワを過ぎてさらに北上するとモントリオールに着きます。
5.
ケベック
モントリオールを過ぎて、東へ行くほどに、フランス色が濃くなってきます。
だんだんと標識も格好が変わり、ケベックに着く頃には、看板のほとんどがフランス語表記になります。
公用語をフランス語にするか英語にするか、何度も住民投票が行われたり、カナダから独立するかどうかが問題になるほどに、元フランス領という歴史を感じます。
フランス人は英語が判ってもフランス語しか話さない風潮があるような気がするのですが、ケベックでも、町中の観光客向けのおみやげやさんや、レストランでしか、英語は好まれていないような雰囲気がありました。
北米、どこへ行っても民族的な対立や、いわゆるガラスシーリングを垣間見ることがあるのも、一つの勉強だと思います。
それはともかく、ここは有名な「シャトーフロントナック」というケベックの中心とも言える高級ホテルを中心として小綺麗にまとまった、とても素敵なところです。
北米唯一の文化遺産都市にも指定されているだけあって、小さい路地にはまりこむと、中世の格好をした騎士や童話の主人公がでてきそうな風情があります。
6.
ケベック郊外
車での旅行なのでケベック郊外を特に目的もなくドライブしました。
日本では考えられないような趣のある家が、きれいな緑の中に立っています。
特に赤い屋根の家が印象深い思い出として残っています。
7.
帰路
1994年の夏、留学先のジョンス・ホプキンス大学のあるメリーランド・ボルチモアを起点にした車での旅は、コーネル大学から始まってナイアガラからカナダに入り、延々と北上してケベックで終わった。
いくら臨床の義務のない留学生活とはいえいつまでも夏休みをくれるわけではないので早くボルチモアに帰らなくてはならない。
最後の2日間はただひたすら高速道路を南へと走った。
途中名も知らぬアメリカ北部の街で1泊して夜はその街の雰囲気を楽しんだ。