河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

修士論文と博士論文指導

2017-01-08 | 保健科学研究科
通信制大学院の修士論文提出が1月6日締切であったため、昨日からは次の通学制大学院生の修士論文、博士論文の指導を行っている。
通学制だから本来なら大学で指導すれば良いのだが、最近はやっぱりメールで論文を送ってくるので通信制の指導とあまり変わらない。

論文を書くのに慣れてきている博士論文はだいぶしっかり書けているが、修士論文よりも分量が多いので全部読むのにかなり時間を取られる。

修士論文は、初めて書くものだから不備が多い。
今日は先日チェックしてコメントをつけて送り返して、修正しましたとして送り返されてきた修士論文を読み始めたのだが、ファイルを開いてびっくり仰天した。

私が送ったコメントを挿入したファイルに、コメントもそのままで原文の部分を修正したファイルを送り返してきているのである。
しかもファイル名は私が送ったそのままである。

これはどういうことかというと、本人には全く悪気はなく、通常のやり方を知らないのである。

例えば学会誌に論文を投稿して、査読者からいろいろなところを修正するように投稿論文に赤が入って返ってきたとする。
そうしたら、普通は論文の指摘されたところをきちんと修正して、修正部分を赤字にしてきちんと分かるようにして再度、投稿する。

これを、査読者が赤を入れた投稿論文で、当該の部分をホワイトで修正してそのまま送り返したらきっと査読者はびっくり仰天するだろう。

こんな基本的なことまで丁寧に指導しないといけないのである。


私が昔、医学部の教授に論文指導を受けていた頃は、論文を書いたらまずアポイントを取って教授のところに書き上げた論文を持参して、チェックをお願いした。
そうすると教授のデスクにうずたかく積まれた論文原稿の一番下に私の原稿が置かれる。
上から順番に教授が目を通されて、かなり日にちが経ってから私の原稿の順番が回ってきて、やっとチェックの上、投稿の許可がもらえるという具合だった。
途中失礼な対応をしたら、それが最後で二度と論文を見てもらうことはできなかった。

その頃でも、ワープロが出てきたせいで、修正を命じてもすぐに書き直して持ってくると教授はぼやいておられた。
それ以前は、論文は教授が書き直しを命じたら、全文手書きで書き直していたのである。


時代は巡って、今はメールで気軽に論文査読を依頼でき、修正もあっという間にできるようになった。

そして、指導教員は年末年始も、週末の休みも論文の査読に追われることになる。

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