全豪オープンは錦織圭君の準々決勝敗退に終わり、大阪国際女子マラソンは地元天満屋陸上部の重友梨佐の日本人最高3位に終わり、大相撲は白鵬が33度目の優勝で終わった。スポーツは自ら汗してするのも、ただ観戦するのも好きだけど、人間って闘いが好きな動物なんだなあとしみじみ思う。人間と人間が一定のルールに従って競い合う姿は美しいし、見ていて楽しい。特に一対一で争うスポーツは緊張感が最高に張りつめるのがたまらない。
数あるスポーツの中で、まわしひとつ、裸でぶつかる相撲は世界でも珍しいし、日本の国技として誇らしく思う。特に、剣道や柔道と同じように、礼に始まり礼に終わる所作の美しさもすばらしい。
この場所で白鵬が勝負判定への不満から審判部を公然と批判したことが物議をかもした。批判発言をしなくては白鵬の気持ちが収まらなかったのだろうけど、横綱には横綱としての風格というか品格が期待されているのだから、あのインタビューの映像を見て正直がっかりした。それを言っちゃあおしまいよ、と寅さんのせりふを口にしたくなった。
白鵬が師匠として崇める大鵬関であれば、反省の弁で終えただろう。あのような同体の相撲をとるようでは横綱としてはまだまだ未熟で、もっともっと精進しなくてはと詫びたはず。横綱は横綱らしく、勝ち負けの白黒はっきりした堂々とした相撲をしなくてはいけないのだ。
優勝回数で師匠を越えても、まだまだ精神性の面で師匠の域には遠くおよばない。相撲は日本古来の武道の一つで、単なる勝ち負けのスポーツとは違う。剣道、柔道など道の付く武道には勝ち負け以前の精神性が大事なのだ。生まれ育った土地が違うので、武道に対する真の理解は難しいかもしれないけど、精神面の精進を横綱白鵬に期待している。