岩ヶ野公民館横にある「庚申塔」です。「庚申供養塔 万治四季辛丑 三月十日」と刻まれています。いつの日か3つに折れていたらしいのですが、いまはきちんとくっ付けてあります。万治4年は1661年です。上の方に地蔵菩薩像が陽刻されています。下の方には十数名の名が刻まれています。「与右衛門」などは読めるのですがすべては無理でした。どうにか読めないものかとここ数回訪れて読もうと?努力しています。陽の当たり具合で見えやすくもなるのです。したがって午前中に行ったり昼間に行ったりとしています。もうしばらく挑戦してみます。この場所にはすぐ隣にもう1基「青面金剛塔」があります。こちらは正徳2年(1712年)と刻まれています。同じ場所に50年くらい経ってもう1基建てられたことになります。何も記録もないので建てられた由来も分かりません、いま、お詣りする人もいなくなって2基の庚申塔はポツンと立っているだけです。
このように忘れ去られている文化財がアチコチに存在しています。この庚申塔にも花が絶えることはなかったと思うのですが、いまは無縁仏と一緒になっています。世の中が急激に変わりすぎたことに大きな原因があると思っています。このように人が作ったものがそのまま放置されていることに寂しさを覚えます。360年前にこの塔を建てられた「与右衛門」さんも嘆いておられるのではないでしょうか。最近、この庚申塔を見に行くたびに思うことでした。
今日の天気( 今朝もうんと冷えました)