ベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調のことです。私が最初に聞いたクラシック音楽の大曲で、当時は小学生でした。きっかけは、親戚が東芝音楽工業のLP第1号となったレコードを入手したのを貰ったためです。フルトヴェングラー指揮、ウィーンフィルのスタジオ録音、HA-1001という番号のものでした。
この曲は、それまで聞いていた通俗名曲と違って、あまり美しいと思えない旋律がかなり含まれている曲だと感じました。小学生が授業で教わるような歌も旋律が美しいのが普通です。
「運命」の動機が全曲を通じて使われ、第一楽章は重苦しく、第2楽章が始まるとホッとします。第3楽章は一転して妙な旋律で始まった後、次第に緊張を高め、切れ目なく第4楽章に突入して、気分が高潮して終わると言う全体構成です。
映画「アマデウス」でサリエリが言うには、モーツァルトは、旋律が自然に湧き出たのを単に書き留めただけとの事でしたが、少なくとも、「運命」は、ベートーヴェンが推敲を重ねた労作のようです。
ベートーヴェンは当時のウィーンでは作曲家と言うより名ピアニストとして知られていたそうで、ピアノを聞きに来る人達に、オリジナルの妙な交響曲を聞かせるので、嫌がられたと言われます。「運命」は、確か「田園」と同時期に、そのような機会に演奏されたようです。当時の交響曲と言えば、ハイドンかモーツァルトで、多少の例外を除けば、優雅で居眠りに向きそうな曲が多いですから、予測のつかない激しさを伴ったベートーヴェンの交響曲は嫌われたかも知れません。
「運命」と言うタイトルは弟子のシントラーが伝えた逸話に由来するらしいですが、曲名として用いているのは日本だけだと聞きました。日本語の運命はネガティヴな意味にとられがちであるのに対し、外国語の運命、英語ならfortuneですが、良い事も悪い事も含むそうです。日本語の運命の暗いイメージはmisfortuneとでも言ったら当たっているのでしょうか。
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この曲は、それまで聞いていた通俗名曲と違って、あまり美しいと思えない旋律がかなり含まれている曲だと感じました。小学生が授業で教わるような歌も旋律が美しいのが普通です。
「運命」の動機が全曲を通じて使われ、第一楽章は重苦しく、第2楽章が始まるとホッとします。第3楽章は一転して妙な旋律で始まった後、次第に緊張を高め、切れ目なく第4楽章に突入して、気分が高潮して終わると言う全体構成です。
映画「アマデウス」でサリエリが言うには、モーツァルトは、旋律が自然に湧き出たのを単に書き留めただけとの事でしたが、少なくとも、「運命」は、ベートーヴェンが推敲を重ねた労作のようです。
ベートーヴェンは当時のウィーンでは作曲家と言うより名ピアニストとして知られていたそうで、ピアノを聞きに来る人達に、オリジナルの妙な交響曲を聞かせるので、嫌がられたと言われます。「運命」は、確か「田園」と同時期に、そのような機会に演奏されたようです。当時の交響曲と言えば、ハイドンかモーツァルトで、多少の例外を除けば、優雅で居眠りに向きそうな曲が多いですから、予測のつかない激しさを伴ったベートーヴェンの交響曲は嫌われたかも知れません。
「運命」と言うタイトルは弟子のシントラーが伝えた逸話に由来するらしいですが、曲名として用いているのは日本だけだと聞きました。日本語の運命はネガティヴな意味にとられがちであるのに対し、外国語の運命、英語ならfortuneですが、良い事も悪い事も含むそうです。日本語の運命の暗いイメージはmisfortuneとでも言ったら当たっているのでしょうか。
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